
青田買い
2025年5月14日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
本日(2025年5月14日)の読売新聞朝刊「編集手帳」に私たちの生活に直結する「コメ」の流通に関する記事があり、その中で「青田買い」という言葉の語源についても記されていました。
その語源からコメの調達に関する解説までが書かれている部分を以下に引用します。
「青田買い、という言葉がある。秋の収穫を見越し、稲がまだ青いうちにコメを買い取ることだが、では、田植えも終わらないうちの買取は何と呼べばいいのだろう。コメ不足の中、安定調達を目指す業者から農家へ商談が次々に舞い込むという。スーパーで販売されたコメが18週ぶりに値下がりした。5キロの価格が前週より19円安い4,214円だった。備蓄米放出の効果がちょこっとだけ現れたのだろうか。そうだとしても、過熱気味の調達競争を落ち着かせることはあるまい。新米が出てきたころにはうんと下がる、などと楽観できる状況ではないだろう。7月には参院選が迫る。それを前に石破政権と有権者の食卓を結ぶ問題になってきた。不支持率がコメの価格にほぼ比例しそうな雲行きである。」
ここで言っている「田植えも終わらないうちの買取」は、コメ農家の経営安定性には非常にいいことだと思います。
いやむしろ、コメ農家からすると「そんなに大事なコメなんだから、最初からそれくらいの意識をもってくれよ!」と言いたいところなのではないかと思います。
ただ、それだけで今後のコメの供給体制が整って、価格が元に戻るのかと言われれば、あまり期待は難しいような気もします。
というのも、コメ農家自体の継続性の問題が全く解決されていないからです。
少子高齢化、しかもその中で「3K」という言葉が常に付きまとう厳しいこの業界への人材の供給が期待できないからです。
その唯一の解決方法が、「農業の株式会社参入」を認め、経営の大規模化と効率化を一気に進めることであるはずが、それを拒み、継続が難しい状態の農家をそのままにせざるを得ない政策(これらの具体的な政策については以前に「農家はもっと減っていい」の記事の中で詳しく述べました。)が続いています。
農家は自分の子供に継がせることができない事業だとして、自分の代でできるところまで続けるしかないと思っているのにです。しかも、その状況であるなら、株式会社が彼らの農地を適正な金額で取得できるようにすることで、農家(安心して引退できるという意味で)も、株式会社も、そして日本の消費者もすべてWINWINの関係になれるはずなのに。
にもかかわらず、政府がその政策を進めない理由は以下のようなものであると言われています。
それは、多くの零細農家が個別に存在し、農協が流通を一手に引き受けたいと思っていること。
最近では、農家がインターネットなどを駆使して独自の販路を確保しているケースも見られるようにはなっていますが、それでも大部分の高齢農家は農協に頼るしかない状況が続いています。
もし、ここに株式会社を参入させてしまえば、必ず農業の集約化・大規模化が進むことから、上記の農協が束ねる多くの農家一人一人をその支持基盤としている人たち、具体的に言えば自民党の集票基盤に大きなマイナスとなることが予想されるからです。
しかし、それでは党を守って国を毀損するということと同義です。
株式会社が農業に参入できるようになれば、おそらく「青田買い」などももっと進むでしょうし、何より効率化・集積性の向上が進むことで、農業がもっともっと魅力的な産業となり、人材の流入も安定化されるはずです。
ですので、この「石破政権と有権者の食卓を結ぶ問題」は、当記事にあるような「令和の米騒動」という一時的な問題としてではなく、もっと根本的で永続的な問題として国民的な議論がされるべきだと思うのです。