
7つの激変
2026年7月14日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。
インターネット時代という言葉が何か少し古めかしく聞こえるくらいに、AI全盛の時代になってしまった感があります。
今回ご紹介する「7つの激変」という本は、インターネット時代においてサービスやビジネスを作り続けてこられたLINEヤフーの前会長の川邊健太郎氏がこの30年間に起こった7つの「激変」を振り返るものです。
しかし、これからのAI時代にそれと同じことが起こるであろうことを見越してのことではありません。
そうではなく、著者はマーク・トゥエインの「歴史は繰り返さないが韻を踏む」という言葉を引用して、同じことが起きるのではなく、同パターンが形を変えて起こりうるからこそ、そのパターンを確認することはその「地ならし」作業を確認するという意味があるという思いから本書をこのような構成にされたのだと思われます。
以下に、その「7つの激変」の概要を示します。
① 「検索」の誕生
検索は世界を便利にしただけでなく、人間の欲望と限界を可視化し、人力の時代を終わらせ、予測の時代を呼び込んだ。そしてその延長線上に今の生成AIがある。
② SNSによる可処分時間の支配
SNSはメディアの主体を「個人」に変えた。しかしタイムラインの発明によって、「コンテンツの終わり」がない世界が出現。人々は孤独を埋めるため、今日もスマホをのぞき込み続ける。
③ 動画の職業化
素人の動画なんかに、広告が付くわけがない!既存メディアが軽視したYoutubeの大逆転の歴史には、イノベーションの本質が全て詰まっている。
④ 通販のインフラ化
薄利多売の泥臭いビジネスにおいて、Amazonは「合理性」を、楽天は「感情」を制した。eコマース30年史とは、人々の「消費」を奪いあう人類史上最も過酷な戦争でもあった。
⑤ 広告業界におけるセンスから数理データへの変化
文系エリートが支配していた広告の世界に、Googleはアドテクという名の数学を持ち込んだ。その瞬間、広告は科学へと変貌し、少数が独占していたパワーが「全人類」に解放された。
⑥ 日本のネットユーザーによる世界のネット文化の醸成
社会に居場所のなかった「弱者(オタク)」たちは、インターネットで初めて「主役」になった。日本のネット文化史は、名もなき者たちが世界を書き換えていく逆襲の物語である。
⑦ 「起業」という選択肢の成長拡大
時代を動かすのは必ずしも「優秀な人間」ではない。いつの時代も、しつこく、泥臭く、いかがわしく、信じ続け、行動し続けた人間だけが、誰も見たことのない世界を切り開いていく。そのような若者に資金提供のチャンスを与えるインフラが出来上がった。
この中で私個人的には、6つ目の「文化」の項目における以下の著者の指摘が最も印象に残ったので要約引用します。
「ネット産業の世界一はアメリカかもしれないが、世界一のネットユーザーは日本から生まれた。これは、この30年を最前線で見てきた私の偽らざる実感です。かのグーグルアースやグーグルマップの生みの親でもあるジョン・ハンケは、『ねえ、日本では今何が流行っているの?』と日本人に会うたびにしつこく聞き、『日本のユーザーが発見し、熱狂するものこそが数年後のメインストリームになるんだよ』と言ってくるのだそうです。『ChatGPTと結婚しました』という日本人女性のニュースが反響を呼ぶことがありましたが、世界を見渡しても日本人ほど非人間的な対象を擬人化して愛を注げる国民はいません。欧米人がAIに対して『仕事を奪うターミネーター』のような高不信を抱きがちなのに対し、日本人はAIを『アトム』や『ドラえもん』の延長線上にいる『相棒』として受け入れようとします。技術力やプラットフォームづくりで、日本はGAFAMは生み出せなかったかもしれない。しかし、AIに人格を見出し、AIとの共生を面白がり、そこに文脈を与えて使い倒すことにかけては、私たちは再び『世界一のユーザー』になれるポテンシャルを秘めているのではないでしょうか。」
本書を読む中で、この30年間に起こったことの多くが日本という国が一貫して世界のトップから引き離され続けるような残念な感覚に襲われることが多ったのですが、この「文化」の項目を読んでいるときだけは、珍しく「希望の光」を見出したような気持にさせられました。









