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お金の使い道

2012年6月17日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先週、ノーベル賞の賞金が、世界的な景気低迷によって、基金の運用益が予想を下回ることから賞金額の引き下げに踏み切るというニュースがありました。

このニュースを受け、個人的にノーベル賞の基金について興味を持ち、基金自体がどのくらいの規模なのか、そしてその運用がどのようになされているのかを調べてみました。

まず、ノーベル賞の成り立ちですが、ダイナマイトの発明で財を成したアルフレッド・ノーベルが死の1年前に遺言状を書き、その中でノーベル賞の創設を言い残しました。

当時の資産は3100万クローナ、現在の通貨の価値に換算すれば16億クローナ(約200億円)だそうです。

その基金を当初は、ノーベルの遺言で安全な投資先への投資にすべきとあったようで、資産の大部分が国債などの低リスク・低リターンの債権で運用されたために収益が低かったようです。

しかし、最近では、資産額が、現在31億クローナ(372億円)で、当初の実質的な資産額(16億クローナ)のほぼ2倍ほどになっています。

このうち53%が株式に投資され、残りが債権や不動産で運用され、また、71%がスウェーデン国外で運用され、29%が国内で運用されているようです。

資産運用のポリシーとしては毎年3~4%の運用益をあげ(ということは15億円程度)、それを賞金やその他の経費に充てることにしているということでした。

賞金額は、運用の成果によって決まる変動制で、毎年同じというわけではなく、まず、運用益の10%が、元金として基金に戻され、15%はノーベル財団の運営費用に当てられ、残り75%を受賞者で分けるということになっています。

それが、先週のニュースで、上記のようにその半分以上をたよっている株式市場が不安定になっており、ここ数年は人件費や賞金にかかる金額がリターンを上回る状態が続いたことから、2012年のノーベル賞受賞者に贈られる賞金は800万スウェーデン・クローナ(約9000万円)で、昨年の賞金1000万クローナ(約1億1000万円)からは20%の減額となるようです。

ノーベル賞についての解説はざっとこんな感じですが、ここで感じたこととして、世界一の賞のノーベル賞にしては、372億円という意外?に基金が大きいものではないということです。

このニュースは運用益では厳しいという内容でしたが、ここまでそれで十分回ってきて、世界を引っ張っていく人々のモチベーションとしても立派に機能してきたノーベル賞です。

それが、どこかの国の一企業の御曹司が、趣味の賭け事で使ってしまったという金額の3倍程度で成り立つという事実にむしろショックを受けました。

お金の使い道というものは、不思議なものだなと思います。

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