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アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書

2021年6月25日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私たちは、小学校から高校までの間、「社会的な生活」を送る上で重要なことを学びます。

例えば、読み書きそろばんは小学校1年生から、最近では英語(こちらについては私としては賛成できないですが)も3年生くらいから開始され、高校三年生まで続きます。

しかしながら、日本では「社会的な生活」を送る上でこれらに勝るとも劣らず重要なことであるにもかかわらず、最終的に大人になっても体系的に学べないものがあります。

それは「お金」に関する知識です。

私は商売を営む家に生まれましたので、小さい時から普通の人よりは「お金」に関わることが多かったように思いますが、しかし「体系的」に学んだかと言われれば、間髪入れず「はい」と言える自信はありません。

しかし、アメリカでは少なくとも高校では体系的なお金の知識を学んでいるらしく、またその差がアメリカと日本の起業率などの経済指標にも明確に表れていることも知識としては知っておりました。

とはいえ、知識としては知っていても、具体的にどのくらいのレベルまで教えられているのかまでは分かりませんでしたので、ならばと思ってその「教科書」を読んでみようとアマゾンを覗きましたら、ちょうど「アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書」なる本がヒットしましたので早速読んでみました。

本書では、実に様々な観点から「お金」に対するあるべき姿勢を説いてくれているのですが、それらの中で最も力強く、そしてその本質をとらえていると思われる一言をご紹介します。

「今日に『ノー』と言い、未来に『イエス』という力を備えること」

これはお金の「逃げ足の速さ」と「集まった時の膨張力」の重要性を一言で表現したものです。

本書では例えば、お金の「逃げ足の速さ」に対抗する手段として、貯金の仕方について以下のような秘訣を教えてくれています。

「お金が入ったらすぐに貯金分を別にすること。天引きや自動積立などのシステムを活用し、最初から入って来ないようにするのが望ましい。年金や社会保険料が最初から引かれているのも、それが最も確実にお金を貯める方法だからだ。」

こう言われると、多くの日本人は国家にはこの秘訣によってコテンパンにやられつつ、自らはその秘訣を知りもしない無防備な状態で生活をしていることがよく分かります。

次に、「集まった時の膨張力」について、これは「複利」そして、それを前提とした「投資」に関することですが、このことについて「リターン」と「リスク」の両方の意味合いを的確に教えています。

「大儲けできる投資もあれば、その性質上あまり儲けられない投資もある。例えば銀行預金は損をすることはないが、利益も大きくない。つまり、安全な投資はリターンが少なく、危険な投資はリターンが大きいということだ。」

ここで注目すべきは、「リターン」と「リスク」の問題を「いい・悪い」の問題としていないことです。

日本でよく言われがちな「額に汗して稼いだお金はよいお金で、あぶく銭は悪いお金です。」や「お金はコツコツ貯めましょう。」ということではなく、お金の本質に基づいた「投資」の意味合いを過不足なくきちんと教えた上で、「リターン」と「リスク」のバランスのとり方については個々人の価値観と自己責任に任せるという姿勢が本書から感じられます。

また、もう一つ抑えておかなければならないのが、この社会におけるお金に関する土俵からの一時退出の仕組みである「破産」です。

日本ではお金の良い面についてですら未成年に話すことを避けたがるくらいですから、最悪の事態であるこのこととなればなおさらでしょう。

しかし、このことを知らないことがばかりに、所詮「道具」に過ぎないお金のために、それよりずっと大切な命を無駄にしてしまうような悲劇まで起こってしまうのですから、このことについて教えることの重要性を再認識すべきです。

このように、未成年の時から体系的で実用的なお金の知識を教えるアメリカと大人になるまで全くと言ってよいほど知らされない日本。

この現実を知り、日本は小学生に英語を教えている暇があるなら、アメリカを見習って「お金」を体系的に教えるべきではないかと心から思いました。

 

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