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なぜ円安が進んでいるのか

2022年7月27日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

多くの日本人が毎日のニュースで発表されるコロナ罹患者の数値のトレンドと同じくらいに気にしている数値のトレンドに「円安」の進行があります。

この「円安」は、2021年1月くらいからの一貫したトレンドであり、実際の数値を見てみると2021年1月1日のレートが1ドル=103.24円だったのに対し、昨日2022年7月26日は1ドル=136.97円で、この一年半で実に32.7%も円安が進んでしまっているのです。

いつからか日本人は1ドルを100円で換算する習慣がついてしまいましたが、もはやこの習慣はほとんど役に立たなくなってしまいました。

では、なぜこんなにも円安が進んでしまっているのでしょうか。

解説記事を見つけましたので以下要約します。

「日米の金融政策の違いが明確になったことが大きい。日本では日銀が大規模な金融緩和を続け、企業の借り入れや住宅ローン金利の指標となる長期金利を低く抑え込んでいる。一方の米国は歴史的なインフレを抑え込むために金融引き締めにかじを切っており、金利上昇が続く。このため日米の金利差が拡大し、より金利の高いドルで資産運用をしようと円を売ってドルを買う動きが強まっている。日銀は、4月末の金融政策決定会合で、長期金利上昇を抑え込む姿勢を改めて鮮明にしたため、外為市場では円安が一気に加速。しかし黒田東彦総裁は、日本経済にとって『全体として円安はプラス』との考えで、大規模緩和を続ける構えを示している。今後の見通しとして日米金利差の拡大は当面続く見込みで、市場ではさらに円安が進むとの見方が優勢だ。」

なるほど、この記事は2022年5月9日のものですが、その時点で1ドル=130.42円であり、その後も一貫して円安トレンドは続き、上記の通り昨日の時点で1ドル=136.97円となっているので、この記事の見通しは正しいものでした。

この記事の時点で日銀の黒田総裁は、日本にとって「全体として円安はプラス」と表明していましたが、この円安によって生活必需品の価格の値上げが相次ぎ、「円安はプラス」どころか「悪い円安」論の勢いが増しており、「黒田日銀」への政策修正圧力が強まっています。

しかも、この円安ドル高の要因が「日米の金利差により金利の高いドルで資産運用をしようと円を売ってドルを買う動き」にある以上、効果的な対処は日銀が金利をあげる以外にはなく、日本政府の莫大な国債発行残高やコロナ禍によって増加してしまった企業の借入残高を考えると金利上昇は決して選択することのできないという日本経済の事情があり、日銀は何も手を打つことができずただ、この悪い円安を傍観するしかない状況にあるようです。

ただ、ここで明らかにしておきたいのは、この極端な円安は基本的に記事にもあるようにアメリカの経済が強すぎることからくる対米ドル相場でのことだということです。

ここで米ドル以外の通貨の対円相場(2021年1月1日 VS 2022年7月26日)を見てみましょう。

1ユーロ  2021年1月1日:125.28円⇒ 2022年7月26日:138.77円(10.7%)

1ポンド  2021年1月1日:138.82円⇒ 2022年7月26日:164.86円(18・8%)

1豪ドル  2021年1月1日:79.42円⇒ 2022年7月26日:94.94円(19.5%)

1人民元  2021年1月1日:15.83円⇒ 2022年7月26日:20.26円(28%)

1フィリピンペソ 2021年1月1日:2.15円⇒ 2022年7月26日:2.47円(14.9%)

このように、軒並み対円でどの通貨も価値をあげてはいますが、中国人民元の28%、オーストラリアドルの19.5%、スターリングポンドの18.8%はかなりの下落ですが、それでもまだ許容範囲のように思えてきます。

ただ、私たちランゲッジ・ヴィレッジは、外国人講師およびSEACTテストの試験官に対して日本円で取り決めた給与を支払っていますので、このトレンドが続くと、アメリカ人でなくともモチベーションの影響が出てこないとも限りません。

自国通貨の価値が下がり続けるというのは、こうもやりきれない思いにさせられるものなのですね。

ましてや、今のところそれに対して打つ手が全く見当たらないわけで深刻にならざるを得ません。
 

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