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やっぱり統計学は最強か

2017年12月1日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

AIの進展に伴って人間とコンピューターの共生を前提とする「生産性」についてどのように考えるのかという議論が本格化してきている昨今です。

そのような議論を様々な角度から見て冷静に自分なりの考えを持つ姿勢を意識していますが、現時点におけるAI時代の生産性の本質は、「新しい仕組みを考え、適用すること」であり、そのことはAIがいかに発達しても人間にしかできないのではないかと思います。

その上で、それではAIもしくは機械の仕事の本質とは何かということが疑問として浮かびました。

その答えについて考え、「人がすでに作り出した仕事を、人間よりも効率的・効果的に行うこと」という一定の答えを思いついた時、ふとかつてこのブログでご紹介した「統計学が最強の学問である」という本を思い出し、またその続編である「統計学が最強の学問であるビジネス編」を新たに読みました。

これらの本では、統計学という、すでに人間の経験として出された「数値」を活用することによって、より確からしい「答え」を導き出すことで人間の社会を豊かにする糧とする学問について、私のような根っからの文系人間にも分かりやすいように解説されています。

なぜ、「機械の仕事の本質」を考えた時に、これらを思い出したのか、それは「すでに人間の経験として出された「数値」を活用する」ということの重要性を前作によって理解させられ、また今回の続編によってその認識を新たにさせられたからです。

続編には次のような記述がありました。

「多くの企業は毎年多大な労力をかけて採用活動を行っている割にその成果を振り返る企業はごく限られている。例えば、採用した人材がどれだけ社内で利益をもたらしたのか、利益をもたらす人間とそうでない人間の違いはどこにあり、どのような採用プロセスをとればよい人材を多数とれるのかについても。グーグルは、そのごく限られた企業の内の一つだ。」

具体的には、グーグルは外部の求人サイトを使わずに従業員に優秀な人を紹介させたり、一般的な「あなたの長所は何ですか?」というような面接も使わなかったり、名門大学を平凡で卒業したものよりも一般的な州立大学をトップで卒業したものを優先させたり、といった普通の企業とは異なる採用方法をとっているようなのです。

これは、実際に採用に関わるデータを統計学的に分析した結果、そうしたほうがより少ない手間で、優秀な人材を採用できると分かっているからだと言います。

つまり、彼らは、一般的な企業のように、毎年毎年恒例事業を繰り返すのではなく、一度行ったこととそれによって生じる結果とのつながりを「すでに人間の経験として出された数値」として大切に扱い、どの組み合わせが効果的かを導き出し、効果的でないものを排除して、効果的だと確信できるもののみを採用するということを常に行っているということです。

ただ、人間もそのようなことを感覚的には行っているはずです。ですから、ベテラン面接官は、新米面接官よりも、かなりの精度でその仕事をこなすと思います。

しかし、人間は基本的に忘れてしまったり、勢いにムラがあるものです。

ですから、いくらベテランでも様々な一度行ったこととそれによって生じる結果とのつながりをすべて覚えて活用するということもできませんし、また時代の移り変わりでそのつながりにも変化は出てくるはずで、それらに迅速に反応することも難しいでしょう。

ですが、機械であれば、それを確実にそして瞬時に行い、またそれを行うたびに精度が高くなり続けていくのです。

これが、「AIもしくは機械の仕事の本質」だと思いました。

そういった意味で、統計学は「新しい仕組みを考え、適用すること」という人間にしかできないこと以外の分野においては、やっぱり「最強の学問」のように思えます。

 

 

 

 

 

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