アメリカにハンバーグは存在しない
2019年12月27日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
私がアメリカ滞在中からなんとなく感じていたけど、改めて確認するすべを持たずにずっともやもやしていた二つの事実が日経電子版の記事で明らかにされていたのでご紹介します。
一つ目は、アメリカ人が考えるBBQは、私たちが考えるバーベキューとは全く違うという事実です。
まず、こちらについて記事より要約します。
「それまで私が参加したバーベキューではスライスされた肉や野菜を炭火で焼いて焼き肉のタレなどで食べることが多かった。しかし、米国に長年住んでいた夫によれば、BBQといったらハンバーガーパティを焼き、バンズにはさんで食べるのがキマリなのだという。つまり、米国ではハンバーグという食べ方はない。パンにはさんで食べるのが一般的。つまり、ハンバーガーとしてのみ食べるのです。英語で「Hamburg」といえばドイツの町、ハンブルクのこと。どうやら「ハンバーグ」は和製英語らしい。野菜やつなぎが入った日本式のハンバーグは米国では「ミートローフ」が近いという。」
そして、二つ目は、そのハンバーガーの中に入っているハンバーグについてですが、私たちが欧米発祥の「洋食」だと思っている「ハンバーグ」は実は和食だという事実です。
こちらも記事の該当部分を要約します。
「多くの日本人が欧米にルーツがあると思っていると思うが、実は米国にはハンバーグが存在しない。日本人が考えるハンバーグとは、ひき肉、みじん切りにしたタマネギ、そしてパン粉を牛乳にひたしたものとかを混ぜ合わせて焼いたものだが、アメリカのハンバーガーパティは、牛ひき肉に塩・コショウで味付けして、1つにまとめて焼いたものである。つまり、パティは牛肉100%がほとんど。シーズニングは加えますが、つなぎを使わないのが一般的で、「ビーフ100%」という表現は使うひき肉の中での割合が牛肉が100、豚肉がゼロという意味ではなく、つなぎや野菜なども一切含んでいないという意味なのである。」
これで私は合点がいきました。
アメリカでホストファーザーが週末ごとにバックヤードで焼いてくれたハンバーガーの味が本当においしくて、日本に帰ってからもどうしたらあの味が出せるのか、ずっと謎でした。
どう表現していいのか難しいのですが、ガツンと肉の味が真正面からくるというか、いい意味で「肉臭さ」が口の中に広がる感じです。
この「肉臭さ」を感じるためには、日本国内ですと、ハードロックカフェなど一部の本格的なアメリカンダイナー的なところや、アメリカンハンバーガー専門店のようなところに行くしかないと思っていました。
今ようやく、その謎が解けました!
ちなみに、ではなぜ日本で「ハンバーグ」が独自の進化を遂げ、もはや和食となったのか。
そちらについての考察についても記事より引用します。
「肉には塩を加えてこねることで結着する、つまり肉と肉がお互いにくっつく性質がありますので、そもそも『つなぎ』は必要ではありません。にもかかわらず日本においてハンバーグにパン粉や小麦粉を入れるようになったのは肉と肉をつなげるというよりも『かさ』を増やすためではないかと思います。しかも、豚肉とのあいびきが一般的なのは、牛肉だけでは価格も高いので、ほかのものを入れて安くて食べやすいようにしたのではないでしょうか。牛肉100%にこだわらない「かさ増し」の精神は豆腐ハンバーグなどのアレンジを生み出した。ソースもトマトやウースター、デミグラスなどのほか、おろしポン酢や照り焼きなどバリエーションも豊富だ。もはやハンバーグは「和食」と言えるのかもしれない。」
誤解のないように言いますと、私もこの和食としての「ハンバーグ」は嫌いではありません。
ただ、ハンバーガーとして食べるときは、やはりあの「肉臭さ」が恋しくなるだけです。
ランゲッジ・ヴィレッジでのバーベキューをアメリカのBBQのようにできるのかどうか、検討してみたいと思います。