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アメリカファーストの極み

2017年7月16日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

アメリカの大統領にトランプ氏が就任してからの混乱が一向に収まらず、むしろ時間がたつにつれて、混乱は深まるばかりといったところです。

そんな状況の中で先日(2017年7月9日)の日経新聞に次のような驚くべき記事が載っていました。

「米ホワイトハウスは8日、トランプ大統領と中国の習近平国家主席がドイツ北部ハンブルクで同日行った首脳会談について報道機関に発表した際、習氏の肩書について、台湾を意味する『Republic of China(中華民国)』の大統領と紹介した。」(ちなみに中華人民共和国は、People’s Republic of Chinaです。)

この「一つの中国」問題は、現代の国際問題における基本中の基本に当たるものです。

ですから、今回アメリカは、最も混同してはならない混同を引き起こしてしまった、いやむしろ戦略的に敢えて間違えたのではないかとうがって考えるべきかもしれないくらいのレベルのミスをしたことになります。

そもそも、この「一つの中国」問題は、元をただせばアメリカが作り出したといっても過言ではない歴史上の事実がありますのでちょっとだけ詳細に説明します。

「国連が創設された時の『中国』は蒋介石率いる中華民国であり、常任理事国であったが、その後共産党政権である中華人民共和国に敗れ台湾に亡命した。そのため、中国大陸を実効支配する中華人民共和国と、台湾に遷都したものの国連安保理常任理事国である中華民国は、双方とも自政府が中国唯一の正統政府であるとの立場を崩さなかった。その中で、中華人民共和国は国連に中華民国の追放を提起しながら長らく否決され続けてきたが、転機が訪れる。ベトナム戦争の長期化・泥沼化に陥ったアメリカが停戦交渉にあたって中華人民共和国の協力を得るため、国連安保理常任理事国の立場を中華民国から中華人民共和国に変更することに合意することになったからだ。その後、アルバニア決議によってその変更が正式に承認された。中華民国はこのことに抗議し、国連からの脱退を宣言した。」

まさに、自国の利益を何よりも優先し、国際社会の状況など眼中にない「アメリカファースト」の極みとしかいいようがありません。

以前にも、「アメリカの強みと弱み」というタイトルでアメリカの圧倒的に「自分以外の国に対する関心が少ない」という問題点について指摘しました。

このブログ記事では、私の小さな体験談について語ったにすぎず、今回の問題の大きさとは比べ物になりませんが、問題の所在自体は全く同じではないかと思うのです。

このような問題を作り出した原因の一部を作り出した当事者が、その問題の他の当事者二国の名前を混同するなど、国際社会の状況など眼中にないという自国中心主義まさにここに極まりとしか言いようがないからです。

やはり、「グローバル化」と「国際化」とは正反対の概念であるということを改めて思い知らされました。

 

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