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トランプ大統領の「名演説」

2020年12月7日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

トランプ大統領については、その個性の強さから「お行儀」という意味ではとても模範的だとは言えないと評価されることが多いと思います。

特に、大統領選の顛末に関して言えば、非常に後味の悪い印象を残し、青少年に対する「潔さ」の教育としては最悪だったように思えます。

ですが今回、そんな彼の非常に珍しい(皮肉ではなく)本当に「教育的」な名演説を見つけましたのでご紹介したいと思います。

これは、彼が2017年にアメリカ合衆国大統領として、医療用鎮痛剤「オピオイド」の乱用に関する「全国的な公衆衛生の非常事態」を宣言した際のスピーチです。

彼はそのイメージとは裏腹に、ドラッグはもちろんのこと酒もたばこも一切口にしないとのことを公表しています。

そして、その理由を42歳の若さでアルコール依存症で亡くなった兄フレッド・ジュニア・トランプ(冒頭写真)の存在によるものとし、そのエピソードをこのスピーチの中で語っています。

以下に少しだけそのスピーチを要約します。

「彼は最高の男だった。男前で性格も私よりずっと良かったのに、酒を飲むことを止められなかった。私は、若い頃から8歳上で尊敬していたその兄から何度も何度も『絶対飲むな』と繰り返し言われたので、生まれてこのかた酒は一度も口につけたことはない。兄は強い男だったのに彼の人生は非常に酷いものだった。しかし自分は彼から学んだ。一度「依存症」になったらやめるのは本当に難しい。最初からやらないという選択はやってしまってからやめるよりもよっぽど簡単だ。だから若者に絶対にドラッグに手を出してはいけないと伝えるのだ。」

実は、私の祖父はかつて社会奉仕のため「秋山断酒道場」を自宅の一部を使用して運営していました。

そこでは、月に一度アルコール依存症に悩む人たちが集まって、自らの断酒の状況を発表し共有することによって何とか断酒の継続を図ろうとする「断酒会」を開いていました。

また、その中の何人かの断酒が継続できている人を(作業療法として)会社に雇い入れ、断酒道場の建物の一部を寮として提供していました。

そのため、私は子供のころからアルコール依存症の人たちの様々なケースを見てきましたが、残念ながら最後まで断酒を続けることができる人はほとんどいないと経験上理解しています。

いや、ほとんどいないというか、私が知る限り一度アルコール依存症と診断された人で、最後まで断酒を続けられ、一度も酒を口にせずに鬼籍に入った人は、断酒会の運営側として活躍されていたケースワーカーの方一人だけです。

それくらい「依存症」は恐ろしく、完治が困難なものだと理解しています。

そんな「依存症」の恐ろしさをとても身近に感じた経験を持つトランプ大統領だからこそ、このようなスピーチができたのだと思います。

このスピーチの説得力と信頼性の高さは正直、彼の大統領在任中のすべてのスピーチの中で群を抜いていると思いますし、そのメッセージの伝わり方はあの伝説のジョンFケネディ大統領の「Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.」のスピーチにも匹敵するものだと思います。

このようなコミュニケーションができることを普段からもっとアメリカ国民全体に伝えることができていたら、今回の大統領選の結果はもしかしたら違った結果になっていたのかもしれないと思えてきます。

 

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