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ビジョナリーカンパニーZERO

2021年10月26日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

本書「ビジョナリーカンパニーZERO」はかつてこのブログでご紹介したジム・コリンズ著「ビジョナリーカンパニー」シリーズの最新作が出たとして、反射的にアマゾンで買ってしまった一冊です。

しかし、本書を読み始めてみると実は、ジム・コリンズがビジョナリーカンパニーシリーズを出すずっと前、1992年に彼の師匠とも言うべきビル・ラジアーとともに出版した「Beyond Entrepreneurship(日本語未訳)」を2.0バージョンとして大幅に加筆修正した上での再版本であることが分かりました。

しかも、ビジョナリーカンパニーシリーズが大企業を研究した成果として書かれたものであるのに対して、Beyond Entrepreneurshipは偉大なる企業を目指す中小企業のリーダーに向けて書かれたものだとしています。

私は、大企業を前提とした「ビジョナリーカンパニー」をわが社のサイトの中で参照するくらいに自社の経営において非常に重要な示唆をいただいたと思っているわけですが、中小企業を前提として書かれ、なおかつそれを現代の状況を加味してアップデートされた本書を読まないわけにはいかないと、非常に大きな期待を持って読み始めることになりました。

実際に読んでみると、その事前の期待の大きさを圧倒的に上回る示唆の数々に本当に驚かされました。

その中でも私が最も心動かされた内容をご紹介したいと思います。

それは、中小企業のリーダーが自社を「偉大な会社」に導くために必要なこととしてあげられた「失敗」に対する視点です。

以下に私が心動かされた部分を引用します。

「判断をしないことは往々にして、誤った判断を下すより悪い結果につながる。何もしないのは安心に思えるかもしれない。すぐにリスクに直面するわけではないからだ。しかし足を止めることが許されない中小企業の世界では、それは取り返しのつかない『大失敗』につながることが多い。差し迫った問題があるなら、決断を下し、何とかやっていくしかない。私たちはこれから失敗をおかすであろうこと、しかもたくさん失敗してそこから学ぶという事実を受け入れなければならない。失敗は強さの源だ。失敗するのはアスリートの筋トレのようなものだ。考えてみてほしい。アスリートはどうやって体を鍛えるのか。失敗するまで負荷をかけ続けるのだ。懸垂を3回した後、4回目で失敗する。身体はそれに適応し、強くなる。次に挑戦したら4回懸垂ができ、5回目で失敗する。その次は5回成功し、6回目で失敗する。といった具合に。意思決定をして、そのうち何度かは『失敗』し、そこから学習するプロセスは、『筋肉を鍛える』ためのものだ。一つも失敗しなければ、いつまでたっても懸垂は3回しかできない。時折失敗したら、それを誇りに思おう。失敗を恐れるあまり人生において何一つ価値のあることをしない臆病者ではないことの証だ。」

この引用についてはどこかを省略もしくは加筆して分かりやすくするという余地が全くなく、一つ一つの言葉をそのまま書き写す以外、何もできないくらいに心を動かされました。

私は今までの人生の中で「失敗は成功のもと」という日本の諺を何度も引き合いに出してはきましたが、本書のこの言葉を受け止めてしまった今では、いかにこのことわざを過小評価してきたかと、反省せざるを得ませんでした。

今私は、心の底から「失敗」を積極的な視点でとらえることができている自分自身を実感しています。

 

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