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リアルとネットの戦い

2013年8月16日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日、こんな記事を見つけました。

こちら

独自の翌日・即日配送を武器に一気に日本においてもネット通販の巨人になってしまったアマゾンに対する他のネット通販業者のとっての巻き返しの武器となるのでしょうか。

ヤマト運輸の日本における「宅急便」の発明?について大学時代に勉強した記憶があります。

二代目社長の小倉昌男さんが社内で「バカ殿のご乱心」とまで言われた一大イノベーションです。

今回のこのニュースはそれに匹敵するくらいの大きな革新ではないでしょうか。

ヤマト運輸がさまざまな顧客からの商品に対してそのようなベネフィットを約束するということは、アマゾンが自社一社の商品を翌日・即日配達する仕組みとは比べ物にならないくらいの取り組みだと思うからです。

しかし、このインパクトはアマゾンとその他ネット通販業者の競争という枠ではなく、ネットとリアルの戦いという大きな枠で考えられるものだと思います。そして、もう一歩踏み込んで考えてみると、この先の展開がどうなっていくのか究極的にはわからない部分が見えてきます。

家電量販店や書店などのリアル陣営はすでにアマゾンをはじめとするネット陣営に大きな打撃を与えられています。

この打撃で一番リアル陣営にとって悩ましいのは、彼らが敵であるネット陣営の「ショールーム」と化してしまっていることではないでしょうか。

ネットの弱さは、実物を実際に見て触れることができないことです。

ですが、その代わりに立派な店舗を持つ必要がないのでコストを圧倒的に下げることができます。まさに今回話題になっている翌日・即日配送への投資はその余剰利益があって初めてできることだと思います。

ですから、顧客の多くはリアル店舗で見て触ったうえで、機種名などを把握して、ネットを通じて購入するという行動パターンがかなり一般化していると思います。

これはまさに、リアル陣営から見るとネット陣営が「タダ乗り」しているとしか思えないのではないでしょうか。

このような「タダ乗り」が続けば、リアル陣営の継続可能性が脅かされ、最終的にはネット陣営しか残らないということになってしまうかもしれません。

そうなった場合に、ネット陣営は顧客の絶対的なニーズである「見て触って」をどこで実現するのでしょうか。

自らの負担で「ショールーム」を運営すると今度はネット陣営がリアルに打撃を与える大きな武器を自ら放棄せざるを得なくなってしまうはずです。

このジレンマをどのように解決していくのか、これはネット陣営、リアル陣営だけではなく、われわれ消費者の倫理観にも関係してくる非常に重要な問題だと思います。

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