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世界に突き付けられた演説

2013年11月15日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

最近の気候の変化はすさまじいものがあります。

日本の大島の台風、それからフィリピンのレイテ島の台風と、今まででは考えられなかったような規模の被害が頻繁に起こるようになってしまいました。

今回のフィリピンの台風に関しては、ランゲッジヴィレッジの姉妹組織であるJIPFLのSEACTテスト現地事務所がセブ島にあるため、決して他人事ではありません。

現地からの報告でも、セブ島の中心地は人的にはそれほどでもないもののやはり、インフラ関係を中心にダメージが大きかったことが良く分かります。

そのため、先週のSEACT受験予定者の方々には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。

改めてお詫びを申し上げます。

ただいま全力で復旧作業を行っておりますので、今週には通常通りの受験ができるようになる見込みでおります。

このスーパー台風「ハイエン」の被害と絶妙のタイミングで国連で大きな気候変動に関する会議が行われていたことを皆さんはご存知でしょうか。

第19回国連気候変動枠組条約締結国会議(COP19)と言われるものです。

ちなみに、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出削減目標を定めた「京都議定書」はCOP3で採択されたものです。

この議定書ではそれぞれの国が、2008~2012までの間に1990に排出された温室効果ガスの量からの一定量の削減目標が定められました。

その中で日本は6%を削減しなければならない義務を負っていました。

しかし、その現状は議長国であった日本でさえ、1990年に比較して削減どころかむしろ増加しているのです。

人間は、「今そこにある危機」「目に見える危機」「自分に直接かかわる危機」でなければ、行動に移すことができない動物だということを証明しているようなものだと思います。

まさに、人類は「ゆでガエル」です。

それが、今回のフィリピンの台風によって少なくともフィリピンをはじめとする赤道に近い国々にとっては「今そこにある危機」「目に見える危機」「自分に直接かかわる危機」となったといえると思います。

しかし、これらはこのような国々だけが受け入れなければならない代償なのでしょうか。

温室効果ガスは、過去の蓄積の問題です。今まで、経済発展を謳歌してきたいわゆる先進国と、やっと経済発展の端緒についた発展途上国とが、現時点における削減に対する努力を同じレベルで行うことが、「公平」といえるのでしょうか。

今回のこの絶妙なタイミングで、フィリピンの代表がCOP19の場で、「世界に突き付けた演説」があります。こちらをご覧ください。

彼はこの演説の中で涙ながらに、このCOP19の会議において、気候変動への対応に関する「実りある合意」がなされるまで祖国で苦しんでいる家族、親族、そして多くの国民と同様、「一切の食事を口にしない」という宣言をしています。

多くの会議出席者は彼の演説に対して拍手を送っています。

しかし、人類は「今そこにある危機」「目に見える危機」「自分に直接かかわる危機」でなければ「ゆでガエル」から脱却できない動物であることは証明済みなのです。

いかにして、世界全体にとってこの問題が「今そこにある危機」「目に見える危機」「自分に直接かかわる危機」として認識できるのか、そのことを真剣に考える時期がもう来てしまったと考えるべきではないでしょうか。

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