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中小企業の経営に必要なこと その2

2014年10月22日 CATEGORY - 代表ブログ

森岡

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

先週に引き続いて、「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」についての記事を書こうと思います。

「中小企業だから戦略とか戦術とかまでは・・・」という言い訳が良く聞かれる中で、著者の「中小企業だからこそ戦略が大切」という言葉には本当にしびれました。

経営学の中で「戦略論」という分野がありますが、この分野の教科書をいろいろ見ても、この「戦略っていったい何」という素朴な疑問にドンピシャな答えを出してくれているものはそう多くありません。

その証拠に、大学の経営学部を卒業した人の中で「戦略」と「戦術」の違いと関係についてきちんと説明できる人はそう多くはないでしょう。

本書はもちろん経営学の教科書ではありませんが、その疑問に対してまさにドンピシャな答えを出してくれています。(是非、経営学の授業で使うべきだと思います。)

まずは私が学生時代から今までで目にした中で一番分かりやすい目的・戦略・戦術の説明を披露したいと思います。それは以下のようなものです。

「お金をもうけるという目的を達成するために、どうするのかというのが戦略。だから、戦略とは一軒家を建てて売るのか、高層マンションを建てて売るのか、それとも犬小屋を建てて売るのかを決めること。そして、いったん犬小屋を建てるという戦略を決めたら、大型クレーンではなく、のこぎりを使うという戦術を選択することになる。」

どうでしょう?なかなか分かりやすい説明でしょう?

この説明の出所は忘れてしまいましたが、非常に分かりやすい説明で当時、私としても非常に理解が進んだと思っていました。

ところが、本書の中で著者がされていた説明は、その説明をはるかに凌駕していたのです。

「戦略とは、企業が持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・ブランド等)を何に集中するかの選択です。そして、その戦略(選択)こそが生み出すべきアイデアの範囲を決める必要条件そのものです。戦術とは、その戦略(選択=必要条件)によって方向性が明らかにされた状態で考えだされるアイデアそのものです。」

この説明は、戦略・戦術を実際に理解して活用したいと思っている経営者にとって非常に実践しやすい説明だと思いました。なぜなら、この説明それ自体が考える方向性を示してくれているからです。

目的の達成のために何をどう考えたらいいのか、これさえ分かれば、考え甲斐があるというものです。

アイデアは無数に存在します。しかし、そのほとんどが駄目なアイデアです。ですから、大切なのは無数に存在するアイデアを絞っていく仕組みです。その絞りさえしっかりしていれば、駄目なアイデアが自然に消滅し、方向性に沿ったアイデアだけを考えることに専念できます。

そのことを示すために、著者は「戦術はアイデアであるが、それは方向性の定まったアイデアでなければならない。その方向性を示すのが戦略である。したがって、戦略は選択であり、選択は必要条件である。」という順序を重要視した説明をしてくれているのです。

やはり、「冷静な数字」だけの世界でなく、日々、「熱い情熱」をもって仮説と実行を繰り返してその先にある「結果」を常に求められる経営者だからこそできる説明なのだと思います。

あまりに分かりやすかったので、思わず「その2」としてもう一つ記事を作ってしまいました。(笑)

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