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人類と宇宙の30年

2021年7月22日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

日本人で初めて宇宙に行った人が誰だったか覚えていますか?

それは正規の宇宙飛行士ではなく、ジャーナリストでした。

というのも、もともと政府が主導して「1988年初め頃の飛行」を予定していた日本人初の宇宙飛行士には毛利衛氏、向井千秋氏、土井隆雄氏のいずれかちなる予定でしたが、1986年のスペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故によって大幅に延期された結果、TBSが創立40周年記念事業として当時のソ連に約20億円を支払うことで社員である秋山豊寛氏をソユーズ宇宙船でソ連の宇宙ステーションミールへ送るという「宇宙特派員計画」が先に実行に移されてしまったためです。

当時、理科大好き少年だった私は、秋山豊寛さんと苗字が一緒で特別な親近感を覚えたこともあって、宇宙から届けられる映像に釘付けになっていました。

その際、ミールに滞在中の秋山さんと地球の小学生をつないで対話するという企画があったのですが、それに選ばれた小学生を心の底から羨ましく思ったものです。

これはウソのようなホントの話なのですが、私の女房は実はその時秋山さんと対話する小学生として選ばれたそうなのですが、恥ずかしいから断ったという衝撃のエピソードを持っていたことを知り、世の中の不公平さと人の縁の深遠さをかみしめました。(笑)

前置きが長くなりましたが、今回のメインは「ジェフべゾス氏ら宇宙から無事帰還」というニュース記事のご紹介です。

以下、記事を要約します。

「アマゾンの創業者ジェフべゾスの経営する宇宙企業ブルー・オリジン社の宇宙船ニューシェパードが米東部時間の20日午前9時12分にテキサス州バンホーンの発射場から離陸し、クルーカプセルより先に発射場とは別に用意されたコンクリートパッドに垂直着陸。クルーカプセルはパラシュートで砂漠に着地した。このミッションにはジェフ・ベゾス氏とその弟マーク・べゾス氏、女性パイロットのさきがけのウォーリー・ファンク氏(82)、初の有料乗客になったオランダの投資会社CEOの息子で18歳のオリバー・デーメン氏の4人が参加した。ファンク氏とデーメン氏は宇宙飛行の最年長と最年少の記録を更新した。」

ジェフべゾス氏の「宇宙飛行」は、秋山豊寛さんが1990年に民間人として初めて宇宙に行ってから約30年後になされたということになるのですが、この30年をどうみるのかに私は強い関心があります。

民間人の宇宙飛行成功という意味では、初飛行から30年もたっているのですから、取り立ててすごいことではないのかもしれません。

しかし私は、この30年を隔てた二つの民間の宇宙飛行には非常に大きな違いがあると感じています。

そこで、もう一つの記事をご紹介します。

「ブルーオリジン社は同日、年内にさらに2回の有人飛行を実施すると発表した。22年にはより多くの打ち上げを計画しているという。ベゾス氏は地球に帰還後に記者会見し、これまでに販売した将来の商業飛行の代金が累計で1億ドル(約110億円)に迫っていることも明らかにした。」

つまり、その違いとは、前者はあくまでも企画としての「宇宙飛行」であり、後者は商品としての「宇宙旅行」である点です。

べゾス氏はこの成功を皮切りに、「宇宙飛行」を完全に一回限りの企画から脱皮し、反復継続の「商業旅行」として実行していくことを宣言したということです。

というのも、今回の飛行に関してべゾス氏とその弟マーク・べゾス氏、そしてべゾス氏から招待を受けた82歳のウォーリー・ファンク氏は別としても、搭乗権がオークション形式で売りに出され、日本円でおよそ30億円でいったん落札されたが落札した人が搭乗を辞退したため、2番目に高い金額で入札していたデーメンさんの搭乗が決まったそうです。

今回デーメンさんが支払った30億円はブルーオリジン社の初飛行をジェフべゾス氏と一緒に行うというプレミアム付きの価格であって、今後の一般的な価格としては20万ドル(約2,200万円)程度を想定していると言います。

これは、30年前にTBSがソ連に支払った20億円からするとかなり現実的な金額ではあるものの、「旅行商品」と呼ぶにはまだまだ高根の花です。

とはいえ、べゾス氏は世界に存在するあらゆるものを最低価格で提供することをミッションとしているアマゾンの創業者です。

そう遠くない未来に富士急ハイランドのフジヤマに乗るような感覚の価格を実現してくれるのではないかと期待せざるを得ません。

 

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