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危機はチャンスの現実性

2012年12月14日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

昨日、金融機関の勉強会でTV東京のWBSなどでおなじみのモルガンスタンレー証券の調査部長、ロバート・フェルドマン氏のお話を聞くことが出来ました。

フェルドマン氏のお話は基本的に世界経済という大きな枠の話なので我々中小企業経営者の立場からはあまり参考となることはないだろうという気持ちで参加させていただきました。

予想通り、講演の最初の前半としてはそのような流れとなりましたが、後半に来てとても私的には心を揺さぶられる部分がありましたので、今回そのことをお話できればと思います。

今後の世界のエネルギー事情についての話でしたが、新興国などのエネルギー消費量の加速度的な増加にとおもない、2060年に化石燃料の埋蔵量を含めた現存の量と、累積消費量が同一水準になる計算のようです。

すなわち、2060年までに人類は化石燃料を使い切ってしまうという予測が出ているわけです。

となると、2060年までには現在のエネルギー消費をすべて再生可能エネルギーに代替させると言う計画が絶対的に必要となるのです。

これを聞いた私を含めたほとんどの聴衆の心は沈み、あせり、またその予想の不確実性を祈ると言う雰囲気になりました。

しかし、フェルドマン氏は、これこそが人類にとっての「チャンス」だというのです。

前半までのフェルドマン氏の話は、現在の諸条件をもとに世界経済の展望をあまり希望のないものだと解説してきたわけですが、それはあくまでも、「現在の諸条件をもとに」なのです。

なによりも、我々日本人は、1970年代の石油ショックのあと、エネルギー消費効率を劇的に改善し、日本の機械産業を世界をリードするものへと変えたのという実績があります。

「2060年問題」を今そこにある危機として人類の共通の「達成すべき数値目標」とすることで、「現在の諸条件をもとに」する世界展望を、諸条件自体を変えることで、圧倒的に良いものとしていけるのだということをおっしゃっておりました。

そして、日本の潜在的技術は、まさにそれを牽引するに足るものでもあると。

まさにそのとおりだと思いました。

数値目標化の凄みを最大限に生かす危機対処術。

まさにこれからの日本のキーワードのような気がしました。

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