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君たちはどう生きるか

2019年4月5日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

君たちはどう生きるか」というベストセラーを読みました。

子供に読んでもらいたい本はいくつもありますが、この本は確実にそのうちの一つに入れべきものだと思いました。

本書は戦前に書かれた児童書を漫画を交えながらリバイバルしたもので、池上彰氏がテレビで絶賛したこともあって改めて大ヒットしました。

私が本書を手に取るきっかけは、本書の表紙が冒頭の少年の顔となっているのですがこの少年の雰囲気がうちの長男にそっくりだったことです。笑

そんなしょうもないきっかけで手に取ったのですが、本書との出会いは先述の通り子供に読んでほしい本の筆頭に数えるほどに評価するようなものとなりました。

本書は、主人公の少年とその叔父との知的な交流を通じて「ものの見方」や社会の「構造」といったことについて悩み深めていくという内容です。

しかも、その深め方がただ単に大人が子供に社会のルールを教えるという一方通行のものではなく、正論であってもそれを貫くことで生じる苦痛や孤独感や、そこから逃げることで感じてしまう後悔等について、あくまでの子供の目線で解決を促す姿勢で一貫しています。

まさにこの一貫性こそが、本書を自分の子供に読ませたくなる理由です。

ここで私が一番印象に残った部分を引用したいと思います。

「ナポレオンはわずか20年の間に、一人の貧乏士官からヨーロッパ全体の支配者の地位に上り、またその王座から真っ逆さまに落ちていったというとても人間業とは思えない人生をおくったのだ。日本では総理大臣を2~3年務めるだけでもたいていの人が体を壊してしまうといわれる。何も歴史的な大事件などのない、平時の一国の総理大臣でもそれほど忙しく、それほど精根のつかれるものなんだよ。それを彼は、大動乱の後のフランスに新しい秩序を打ち立てなければならなかった。絶えず外国の干渉を撃退しなければならなかった。彼はその仕事を立派に引き受けて、国内外の問題すべてを自分が一手に引き受けてしまった。しかし、そんな彼でも一度世の中の大きな流れから外れると、その没落から逃れることができなかった。このナポレオンの人生から何を我々は学ぶべきか。世の中にはよい心がけを持っていながら、弱いばかりにその心がけを生かしきれないでいる小さな善人がどんなに多いかということを知らなければならない。世間には悪い人ではないが、弱いばかりに自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない。人類の進歩と結びつかない英雄的精神もむなしいが、英雄的な気概を欠いた善良さも、同じようにむなしいことが多いのだ。(一部加筆修正)」

今の時代、ナポレオンの人生を紹介することはできても、そこからこの最後の部分をエッセンスとして切り取って教えることができる大人がどれほどいるでしょうか。

善良さと凶悪さ、精神的な強さと弱さ

これは、ベクトルと力の強さを表しているように思います。

善良さと凶悪はベクトル、精神的な強さと弱さがそれらを推し進める力の強さです。

良いことを世の中に広めるためには、善良さという方向に、強い精神力というエンジンがついてこなければどうにもならないということを子供たちに伝えることの重要性を本書に教えられた気がします。

「人類の進歩と結びつかない英雄的精神もむなしいが、英雄的な気概を欠いた善良さも、同じようにむなしいことが多いのだ。」

というこの世の真理を教えることのできる大人になりたいと思いました。

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