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問題解決の技術

2015年6月14日 CATEGORY - 代表ブログ

問題解決

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

ここのところ、英語に関する本ばかりを紹介してきましたが、久しぶりにそれ以外の本で非常に面白いものを見つけましたので紹介します。

デザイナーの佐藤オオキさんの「問題解決ラボ」という本です。

彼は、最近スーツケースのACEプロテカのCMにデザイナー本人として出演していることやNHKのプロフェッショナル仕事の流儀にて取り上げられている、デザイナー界ではあの佐藤可士和さんと並ぶ有名人です。

驚いたことに彼は1977年生まれで、私とほとんど変わらない年齢なのです。この年齢で自らの仕事によって社会に大きな影響を与え、そしてそれを書籍という形で論理的に説明できるのは本当にすごいことだと思います。

そんな素晴らしく貴重な情報満載の本書ですが、その中でも最も印象に残ったのが以下の部分です。

「誰も見たことがないもの」は「誰も求めていないもの」と紙一重。理想は「本来はそこにあるはずなのに、なぜかない」物を「補充する」くらいの感覚です。この「半歩」の歩み寄りが重要で、ユーザーと同じ目線で判断できるようになり、今この瞬間にユーザーが求めているものの中心を射抜くことができるんじゃないか、と思うわけです。(中略)棚に新商品を置くのではなくて、そこにすでに存在していたけど、見えてなかったものを見えるようにしてあげる。そんな感覚が突飛なものになることを防ぎ、お客さんが自然と「半歩」近づいてくれる商品を生むのかもしれません。」

非常に、分かりやすく、そして本質を射抜いた発言だと思います。しかも、こんな発言が自分と1~2歳しか年が離れていない人間のものだと思うと、本当に脱帽したい気持ちになりました。

実は、わが社の企業理念は次のようなものとなっています。

「物事の本質を捉え、市場の現状がその本質から外れていると判断した場合に、その溝を埋めることで絶対的な価値を提供すること。」

市場において、まずいものを提供されているの状況の中で、わが社は必ず価値あるものを提供する。これがわが社の理念なのだから、私は常に世の中に「ないもの」は何かを探すように努力してきました。しかし、著者の次の主張でハッとさせられました。

「「ありそうでなかった」物をひらめくことが目的化してしまっている人をたまに見かけます。それはあくまで手段であり、本当の目的は「隠れたニーズ」を引き出すことのはず。まずは、「何か問題はないか」と問うことが先です。結果としてアイデアが「ありそうでなかった」と人から言ってもらえるという話なんですが、この順序を逆にしてしまうと、「そもそも必要ないからない」アイデアになり、正解には決して辿り着けません。「ない」には必ずわけがあります。やるべきは、隠れたニーズを引き出して、問題の核心を探し出していくことです。」

もちろん、我が社の理念には「市場の現状がその本質から外れていると判断した場合に」という条件が付いていますから、この前提は当たり前なのですが、このように訴えられると改めて順序を確認しなければ、と思わずにはいられなくなりました。

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