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営業はいらない

2020年3月18日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私もずっとそうあるべきだろうと感じていたことをズバリ言いきってくれた一冊に出会いました。

それは「営業はいらない」です。

本書は、「営業」という一部門の存在意義について書かれているのではなく、「経営」全般の本来のあり方について非常に厳しくも本質的な指摘をされているものであり、得るものが大きな本でした。

まず冒頭において、大前提としての「営業」を以下のように定義しています。

「営業とは、見込み客を集め、情報提供しながら見込み客の購買意欲を高める。その中から購買可能性の高い者を選別し、個別にアプローチ、打合せを重ねながら、ニーズをヒアリングし、提案の作成、価格の交渉、そしてクロージングまでもっていくプロセスのことである。」

この定義にある内容を行うことが可能であれば、それは人間がおこなう必要はなく、昨今のIT技術によって取って代わられることが現実となっていることに気づかせることが本書の目的です。

アマゾンを利用している人であれば、「そろそろビールが切れるころですよね、1ケース入れてきましょうか?」という絶妙な営業をこなすサザエさんの三河屋さんに、システムが、もはや完全に取って代わっていることを実感できるはずだという指摘には、誰も反論できないはずです。

しかも、このアマゾンのシステムは、三河屋さんのように磯野家の「家族構成」「好み」「購買状況」「消費スパン」「季節」「天気」などを総合的に判断するだけでなく、三河屋さんとは異なり人間ではないため、こちら側の気兼ねなども一切必要なくお付き合いができます。

このような時代に、成功率が1%にも満たない「テレアポ」「飛び込み営業」などと言った手法で営業マンありきのビジネスを行っていくことは、もはや「営業戦略」の問題ではなく「経営戦略」の問題であるという本書の指摘は、非常に心に響きました。

それはつまり、こういうことです。

そのような企業において、経営者がいわゆる「営業成績」が振るわない営業マンを叱責することなどはまったくお門違いであって、それは、逆に経営者が「適切な経営戦略を生み出せていない」ことで、株主から叱責を受けるべき事項であるという認識が必要である。

となれば、営業というプロセスの本質をとらえ、それを「経営戦略」そのものだと受け止めるべきことに気づかされます。

このことは、「経営」に当たる人間からすれば、誰かからアドバイスを受けるようなことではなく、実は当然にして行き着くべきことだったと反省すべきかもしれません。

 

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