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「多様性の尊重」を再考する

2022年4月20日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私はこのブログで、ロシアのウクライナ侵攻について日本(西側諸国)の大方の見方から距離を置いた立場をとろうと意識するようにしています。

なぜか、それはあらゆる紛争について一方的な事情というのは存在しないと思うからです。

常にそのことを意識しないと人間は簡単に自分の立場だけを一方的に擁護しようとしてしまう癖があります。もちろん、今回のロシアによるウクライナ侵攻は絶対にあってはいけないことであったことは間違いありません。

しかし、そのような計算の合わない判断をロシアをしてしまった理由から目をそらして、ロシアを悪者にするだけで満足しては絶対にいけないと思うのです。

それは、日本の真珠湾攻撃が当時の日米の国力の差を考えれば絶対に計算の合わない判断であったのにもかかわらず、日本がそれを行った理由を国際社会全体で考えることをしなかったことが、あれだけの犠牲を払った第二次世界大戦後に発生した多くの戦争が証明していると考えるからです。

上記で「ロシアを悪者にするだけで満足する」という表現をしましたが、まさにその表現がぴったりなトンチンカンな判断をした企業の事例が記事になっていましたのでご紹介します。

それは「JR東日本が、恵比寿駅西口改札内にあるロシア語の乗り換え案内表示を紙などで覆っていた」という記事です。

以下、内容を要約します。

「当初JR東日本は『複合的に判断した』などと説明していたが『過剰反応だ』と多くの批判が寄せられたことを受けて、4月15日になって『ニーズがあるため』として、紙を外すことを決めた。この案内表示が設置されたのは2018年ごろで、東京五輪の訪日客増加を狙ったり、ロシア大使館が日比谷線の神谷町駅近くにあったりするためだったという。」

日本のみならず、世界的にも「多様性の尊重」と言いながら、今までの考え方を認めずに「新しい考え方」を押し付けるだけのように思えてなりません。

もし、JR東日本が本当の意味で「多様性」の本当の意味を理解した上で「ロシア語表示」をスタートさせたのであれば、決して今回のような判断にはつながらなかったはずです。

「多様性」とは「自分は自分、他者は他者」という自分とは異質な考え方との共生を考えるためのイデオロギーであることを国際社会は再度確認するべきだと思います。

 

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