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失敗は成功のもと

2021年5月10日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

「失敗は成功のもと」

この言葉は日本人であれば子供のころからよく聞かされてきたはずです。

ですが、私はなんとなくこの言葉がその教育的意図とは異なって機能しているような気がしていました。

具体的には、この言葉がどうしても私たちが何かに失敗した時の「なぐさめ」として響きのほうが、本来の失敗こそが成功のために必要不可欠な要素であるという「教訓」としての機能に勝っている様に感じられてきました。

というのも、今までの世の中にこの言葉を上記の「教訓」として機能させるに足る現在進行形の「事例」に子供たちがふれるという機会がほとんどなかったからではないかと思うのです。

私たちにとっての「事例」とは常に偉人の偉業であって、それらは「伝記」という遠い過去の出来事を文字で伝えているものに過ぎませんでした。

エジソン然り、野口英世然りです。

しかしながら、先日(2021年5月5日奇しくも「こどもの日」)、この言葉を本当の意味での直接的な「教訓」として機能させるに足る「事例」をあのイーロン・マスク氏率いるスペースX社が提供してくれました。

次の記事をご確認ください。

「米宇宙開発企業スペースX社は5日、米テキサス州で大型宇宙船『スターシップ』の5回目となる飛行試験を行い、初めて爆発せずに着地させることに成功した。無人試験機はテキサス州ボカチカから午後5時25分(日本時間6日午前7時25分)ごろ打ち上げられ、高度約10キロに到達。一連の機動飛行を行った。過去4回はいずれも試験機の爆発に終わっており、今回の成功はスペースXにとって大きな成果となった。」

イーロン・マスク氏については、スペースX社にとどまらず電気自動車製造のテスラ社など人類の発展に寄与するための革新的会社をいくつも運営する起業家としてこのブログでも何度も記事をご紹介してきました。

今回のこの成功によって、「失敗は成功のもと」という言葉を直接的な「教訓」に読み替えることができるのは、スペースX社自身が普通の会社だったら絶対隠すであろう次のような「失敗」の積み重ねを公にし続けてきたからに他なりません。

しかも、今回の成功も実は完全なる成功ではないようで、記事は次のように伝えています。

「もっとも試験飛行は完璧だったわけではなく、着地直後に全長約50メートルの試験機の下部から小規模な炎が上がった。動画によると、火はすぐに消し止められた。スペースXのジョン・インスプルッカー氏は、メタンを燃料に使っているためこのような出火は珍しくないと述べ、設計の見直しも行っていると説明した。」

現在進行形で「成功と失敗の関係性」をここまで具体的に見せてくれる彼らの姿勢に心から敬意を表したいと思います。