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小学校授業時間上限設定へ

2019年4月4日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先週、小学校英語導入に伴う小学生への過大な負担について警鐘を鳴らしたと思ったら、今週はその真逆のニュースが飛び込んできました。

先日(2019年3月30日)読売新聞の「小学校授業時間上限設定」についてのウェブ版の記事をご紹介します。

「文部科学省は29日、学習指導要領に基づく授業時間数を大きく超えている公立小中学校に対し、授業時間の削減を求める通知を都道府県教育委員会などに出した。小学校5年については、年間1085コマ(1コマ45分、週31コマ)を初めて上限の目安とし、他学年も超過分を105コマ(週3コマ)以内に抑えるよう促す。授業時間を削減することで教員の働き方改革につなげたい考えだ。」

前回記事「小学校英語の教科書」において私は以下のような意見を述べました。

「まだ思考能力が固まっていない小学生に今まで中学生に対して記憶させていたものの半分以上を強制させるためには、まずもって圧倒的に長い時間が必要であるとともに、教える側の技術が相当高いレベルで求められるはずです。しかも、中学校でも今までの分量でさえ習熟させることに成功しているとはいえないのに、その1.5倍もの量を覚えさせることをどう達成するというのでしょうか。それを現状の分量でも、教育行政にかかる予算は必要十分とは言えないというのにです。」

そして、一週間のうちにこの記事です。

「学校の授業時間は、学習指導要領で学年ごとに標準時間数(下限)が定められており、それを基に学校長が独自に決めている。今の指導要領では、例えば小学5年は年980コマ(週28コマ)だが、文科省が2018年度の授業計画を調べたところ、小学校約2万校のうち25・7%が年1085コマを超えていた。文科省は通知の中で、標準時間数を大きく上回って授業を行うことは「教師の負担増加に直結する」と言及。小学5年で年1085コマを超える学校などに対して、19年度以降の年間授業計画を見直し、授業時間数をできるだけ早く削減するよう求めた。同省は、他学年について具体的な数字を挙げていないが、標準時間数のプラス105コマ前後を目安とする考え。担当者は「働き方改革に配慮して授業時間を見直してほしい」としている。」

一週間も経たたないうちに立て続けに明らかになった全くベクトルの異なる二つのニュースの整合性をどう考えればいいのでしょうか。

仮に、ポリシーも何にもないいい加減な企業が思い付きで企業経営を行っていたとしても、ここまで理解に苦しむような事態は起こりえないと思います。

もはや、文科省は論理的な時間管理、学習管理の責任を放棄し、スローガンを掲げるだけで後は奇跡に期待するぐらいの気持ちで一連の方針を決めているとしか思えません。

学校現場で混乱する教師を、そして彼らによって導かれる子供たちをどのようにして守っていったらよいのでしょうか。

現時点において、全く思い浮かばないという事態は、2020年度から小学5年生となる三人の子供の親としてこれほどむなしいことはありません。

 

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