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最後のセンター試験

2020年1月20日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

遂に「最後のセンター試験」が昨日(2020年1月19日)終了しました。

この最後のセンターの英語のリスニング試験において受験生を翻弄した動物がいたというのが話題にあげられていましたが、その動物というのがこの記事によると「パンダ」だそうです。

問題を実際に見てみましょう。

冒頭の画像が表示され、次のような会話が流されました。

Question No.1

W:Look! What a cute panda!

M:Which one?

W:He’s lying on his stomach like he’s sleeping.

M:Oh, I see him! He’s kind of hidden behind the rocks.

問1 Which picture matches the conversation?

つまりは、会話からパンダの様子を選択するものです。

もちろん、答えは①ですが、私たち世代からするとセンター試験に

「 be kind of hidden 」

のような表現が出てくることに、よく言えば「新鮮さ」悪く言えば「違和感」を感じてしまいます。

私たちの世代からすると、センター試験は基本的には国立大学の受験の「足切り」に使用する試験であって、それは受験生の「基礎力」を試すことを主眼としているため、とにかく「意外性のない正面からの問題」しか出題されないという認識でした。

ですから、私がアメリカに行って生活の中で初めて出会ったような「be  kind of hidden 」(隠れちゃってる感じ)のような表現が試されることには「違和感」を感じざるを得ないのです。

ところが、この記事を読んでみると、実はこれが初めてではなく、昨年にも同様の受験生を翻弄する「動物」?がいたようなのです。

実際の問題はこうです。

M:We need an idea for a new cartoon character.

W:I agree. How about a vegetable?

M:That sounds OK. But, for a stronger impact, give it wings to fly.

W:Good idea.

問1 What might the character look like?

野菜のキャラクターであって、飛ぶための「羽」がついてるものを選択するわけですから、答えは②の人参ということになるでしょうか。

つまり、①のリンゴは野菜でなく果物だからダメ、③のキュウリは野菜だけど羽がないからダメ、そして④のブドウは野菜でもなければ羽もないのでダメ、ということで②の人参が正解ということ。

まあ、今年の「 be kind of hidden 」のような慣用表現はないものの、野菜と果物の定義の違いが分かっていないとリスニング云々の前に回答できないという意味では、こちらについても、「意外性のない正面からの問題」をなぜ出さないのか?という疑問が浮かんできます。

しかし、ここは、「野菜と果物の定義の違い」が分かってリスニングの力もある「教科横断型」の受験生を評価するということで、「新鮮さ」と認識することで前向きな評価をするべきなのでしょうか。

私は、来年度からの「大学入学共通テスト」を運用する大学入試センターに対して今一度、その試験によって受験生の何を評価するべきなのかという根本的なところを問い直すことを切に願いたいと思います。