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洋画の邦題のタイプについて

2021年8月9日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2021年7月30日)、洋画の邦題に関する興味深い記事を見つけました。

私は映画、特に洋画が大好きなのでその邦題についてもかなり意識をしてみるようにしているのですが、日本における洋画の邦題については大まかに4つのタイプに分けられると思っています。

◆その1:オリジナルタイトルを直訳したタイトル

「ローマの休日(Roman Holiday)」「カッコーの巣の上で(One Flew Over the Cuckoo’s Nest)」「風と共に去りぬ( Gone With the Wind)」

 

◆その2:オリジナルタイトルとは全く異なる日本語訳のタイトル

「天使にラブソングを(Sister Act)」「ランボー(First Blood)」「恋人たちの予感(When Harry met Sally)」

 

◆その3:オリジナルタイトルをそのままカタカナ表記

「ホワットライズビニース(What lies beneath)」「ミッションインポッシブルローグネイション(Mission: Impossible – Rogue Nation)」「リバーランズスルーイット(River Runs Through It)」

 

◆その4:オリジナルタイトルとは異なるカタカナ表記

「ワイルドスピード(Fast & Furious)」、「バタリアン(The Return of the Living Dead)」、「キューティーブロンド(Leagally Blonde)」

今回の記事でとりあげられた「ワイルとスピード」はまさにこのタイプなわけですが、褒められるだけはあるなと思います。

また、「バタリアン」は子供の頃本当に恐ろしいと思ったのですが、それもこの邦題によるところが大きいと言えるかもしれません。

さらに、「キューティーブロンド」もほんの少しの変化にすぎませんが日本人にとってはこっちの方がイメージしやすいのは確かでしょう。

こう見てみると、それぞれに何を重視するのかという特徴があって、それぞれに甲乙丙丁つけがたい価値があると思いますが、日本国内に限定しての価値に視点をおいて私なりに独断と偏見でランキングすると次のようになります。

1位=その1:オリジナルタイトルを直訳したタイトル(もちろん、日本人の文脈にマッチしているという条件付きですが。)

2位=その4:オリジナルタイトルとは異なるカタカナ表記

3位=その2:オリジナルタイトルとは全く異なる日本語訳のタイトル

4位=その3:オリジナルタイトルをそのままカタカナ表記

ところが、一度英語圏の人との映画についての会話を経験された方であれば間違いなく賛同してくださると思うのですが、グローバルな価値観を適用すると、このランキングは全く当てはまらず、以下のようにならざるを得ません。

ダントツのトップ=日本においての最低評価されるその3:オリジナルタイトルをそのままカタカナ表記

2位=その1:オリジナルタイトルを直訳したタイトル

3位=その2:オリジナルタイトルとは全く異なる日本語訳のタイトル

ダントツのビリ=その4:オリジナルタイトルとは異なるカタカナ表記となります。

なぜダントツのビリが、「カタカナ表記なのにオリジナルタイトルとは異なる表記」なのかと言えば、日本独自の「和製英語」の厄介さと同じ理屈からです。

つまりは、英語圏ではそうは呼ばれないものを私たち日本人がそうだと思い込んでいるために、二重にコミュニケーションを阻害してしまうことになり、せっかく英語圏の人々との共通話題として会話の促進剤になるべき貴重なチャンスが台無しになってしまうからです。

そうはいっても、映画のタイトルは英語圏でのコミュニケーションの取りやすさのみの視点で決められないという事情もあり、それぞれの事情の板挟みになりながら映画のタイトルをつける人の苦労がよく分かります。

どうしたって文句はつきますから。