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生産性の向上とはこういうこと

2019年4月29日 CATEGORY - 代表ブログ

先日(2019年4月14日)の東洋経済オンラインの記事に、「QBハウスの研修」についての記事がありました。

実は私、QBハウスの顧客になって10年以上のロイヤルカスタマーです。

私はヘアースタイルについては特に大きなこだわりはなく、髭剃りもどうせ家で自分でやるものなので、敢えて床屋さんの手を煩わすことでもないという感覚を持っている人間です。

ですから、QBハウスの「髪を切る」ことを「短時間」でやってくれるサービスは、当然にして私にこの会社に対する忠誠心をもたせるに至ったというわけです。(唯一、シャンプーサービスがないことについてはデメリットと捉えられなくもないですが、それは独自開発の髪の毛バキューム機の性能がそこそこいいので、仕事終わりに行くというルールさえ作れば、目をつぶることができる範囲に収まります。)

でもそんな私にとってメリットばかりのサービスの実現には、実は非常に戦略的な発想とそれを実行可能とするための努力があったことにこの記事を読んで気づかされました。

以下その部分を引用します。

「『10分カット』を売り文句に快走を続けるQBハウスの強さの秘密とは何なのか。それは同社独自のスタイリスト研修施設ロジスカット東京校だ。未経験者や専門学校の卒業生だけでなく、ブランクのある元・理美容師に、カットや接客の技術を指導、6カ月でスタイリストとして店頭デビューさせることを掲げている。「研修生が自分で答えを導き出せるように、論理的な考え方(Logical Thinking)を教えている」(トレーナーの高松耕二さん)。研修中も正社員として月給(東京では18.8万円)と残業手当などが支払われる。東京校だけでなく、大阪、名古屋、福岡にも、研修拠点は存在する。一般的な理美容室では、客の髪型について、「耳周りはどうしましょうか?」などとじっくりカウンセリングをする。だが、ロジスカットで学んだQBハウスのスタイリストは、「耳は出しますか?出しませんか?」と尋ねる。選択肢を2つに絞ることで客を迷わせず、要望を的確に把握しながら短時間でカウンセリングを終えられるのだ。」

私のようなヘアースタイルにあまり興味のない人間にとっては、美容師さんにいろいろ好みなどを聞かれることは「面倒」以外の何物でもありません。

むしろ、「プロが一番いい塩梅にやってくれよ」というのが本音です。

そのような「ヘアースタイルにあまりこだわりのない人々」というターゲットに絞り、その人たちが一番心地いいと思うであろう「ポイント」を明確にして、その要望を徹底的にカバーする。それこそが、「生産性の向上」というわけです。

以前にこのブログでも書きましたが、「生産性」というのは、顧客の満足に貢献しないものは、どれだけ生産者が努力しても全くカウントされないものなのです。

その顧客の満足こそが、その人たちが一番心地いいと思うであろう「ポイント」であり、それが何なのかを見つけ出すには、会社もそれを構成する従業員も、論理的な考え方(Logical Thinking)を身に付ける必要があるということでしょう。

こんな会社が日本に増えてくるようになれば、本当の意味で「働き方改革」は成功すると思います。

 

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