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男と女の脳の仕組みは異なるのか

2020年7月27日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

世の中、コロナ対策で様々なセミナーが開催中止になっていますが、少しずつウェブを活用するなどして開催を実施されるケースも増えてきまして、先日は地元の金融機関主催のセミナーをグーグルミート受講するチャンスに恵まれました。

講師は、男女の「脳の違い」を反映させたAI開発で有名な人工知能研究者の黒川 伊保子先生です。

講演のテーマはタイトルのとおり「男と女の脳の仕組みは異なるのか」で、黒川先生の結論は、「YESでありNOである」でした。

これはこういうことです。

「脳のシステム構造としては男女で違いはないという意味でNOだが、インストールされているプログラムの優先利用の初期設定に違いがあるという意味でYES」

まず男の脳の初期設定は、「人類の長い歴史の中のほとんどの時間に男は荒野で危険な目にあいながら、仲間と自分を瞬時に救い、確実に成果を出せる男性が子孫を増やしてきた結果、遠くの目的に潔くロックオンして、問題解決を急ぐ回路を優先する」というものです。

一方、女の脳のそれは、「周囲と共感しあっておっぱいを融通しあったり、子育ての知恵を交換し合える女性が子孫を増やしてきた結果、圧倒的な強さよりも、問題解決の早さよりも、共感を優先したほうが子どもの生存可能性が上がるため、共感と気づきの回路を優先する」というものです。

これによって、現在狩猟という過酷な生業を必要としなくなった私たちの脳の中にもその初期設定が組み込まれており、現代社会においては、この違いによる男女間での「すれ違い」が目立つようになってしまったというわけです。

一般的には、男の会話は「結論・目的ありきの論理的文脈に立脚する」女性からすると冷徹なものとなる傾向が強くなり、女の会話は「感情にあふれる主観的文脈に立脚する」男性からするとオチのないダラダラしたものとなる傾向が強くなります。

とは言え、ここまでの分析は、かなり一般的なものと言え、私としてもどこかで聞いたような話ではあります。

ただし、そのような話のほとんどがその違いの存在を指摘して終わっているのに対し、黒川先生は、このお互いの違いに基づく男女間の受け取り方がどちらも「濡れ衣」であるとして、対処法までを私たちに授けてくれたところに大きな価値があると思いました。

その対処法とは、この二つの脳の初期設定が、そもそも全く逆であることのデメリットをあげつらって、攻撃しあうのではなく、この二つの初期設定の「本質」をお互いに理解しあい、それぞれを男と女しかいない人類全体として使い分けることでメリットを最大化するというものです。

例えば、ビジネスの場面は少なからず「狩猟(競争)」に近いものがあるため、男性も女性も意識的にこのモードを使う、いわば手動モードで問題解決回路をオンにする。

これは研修などトレーニングによっても鍛えることができるでしょう。

一方家庭においてはもはや現代には人類の天敵はほぼいないわけですから、男性も女性も意識的に共感回路をオンにする。

黒川先生の言葉を借りれば、「脳にはネガティブなだけの要素はない。欠点に見える機能には必ず裏の才覚がある。お互いの欠点をあげつらう男女脳論は終結させよう。」ということです。

私はこの言葉をもう一歩進めて次のような理解をしたらどうかと思いました。

「神は、敢えて男と女の脳に全く逆の初期設定を施し、それを共生させようとしている。人類を幸せにするために」

このように、講座を受講してた時の納得感は非常に高かったのですが、なにせ人類の歴史700万年で培った設定を農耕が始まってたかだか何千年の私たちが変えようとすることはそう簡単ではないこともまた事実かと、うちに戻ってきてすぐに感じてしまった次第です。(笑)

 

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