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自分の頭で考える会社

2017年7月30日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2017年7月14日)の日経MJに10円チョコで有名なチロルチョコ株式会社の社長交代の広告がとてもインパクトがあり話題になっているという記事がありました。

その広告は冒頭のようなものです。

「ハンドルを握る仮免許の息子と助手席で顔を手で覆う父親」そして、その中には「誠に勝手ながら本掲載をもってお取引先各位へのご案内に代えさせていただきます。」という注釈つきです。

通常、社長交代の挨拶は失礼のないよう、社長交代の事実とほとんど決まりきった「今後ともご指導ご鞭撻のほど云々」といった文章が書かれた厚紙の入った封筒を取引先に送ることで済ますことが一般的だと思います。

ですが、あえてそこを新聞広告の「注釈」によって済ますことで「?」感をだすというひねりを入れています。

このことについて、父親であるチロルチョコの会長は「どうせやるなら面白くやりたい。大手とは違うイメージにして、面白さ、楽しさを提供するために、広告宣伝もとがったものを目指しています。」と回答しています。

本来、社長交代という会社にとっての一大事は、丁寧な形でを関係者にお伝えすることが必要で、このような突飛なコミュニケーションは、常識はずれに思われてしまう危険もあったかもしれません。

この記事を読んでいた時には、差別化を常に考えなければと思っている私も「微妙な」ところだなと思ったくらいです。

ですが、これをきっかけにチロルチョコという会社について調べましたところ、この会社はその「微妙な」ところを考えに考え抜いて確信的に行っているすごい会社だということを知りました。

以下にそのことが良くわかる 記事 から引用します。

「2013年6月11日、チロルチョコの中に芋虫がいたという写真(上)つきの苦情ツイートが投稿された。インパクトのある写真が拡散の連鎖を刺激し、瞬く間にリツイートは1万回を超える。ツイッター注目のキーワードにまで「芋虫」が登場する有様だ。チロルチョコは製造元の工場を合わせても社員数で約200人。その規模の企業にとって、この醜聞は致命的な危機になりかねない。しかし彼らは冷静だった。約3時間後、同社の公式アカウントは正式な見解をツイートする。その投稿は十分に吟味された内容だった。写真に掲載された商品の最終出荷は約半年前。対して芋虫はその形状から推定すると生後30日~40日。これは芋虫が商品購入後に混入したことを示唆するものだ。さらに「虫が混入されたケースの多くは出荷後に家庭内で起きる」とした日本チョコレート・ココア協会のウェブサイトを紹介。最後に「お騒がせして申し訳ない」との心遣いあるコメントで締めたのだ。この的確で抑制の効いたツイートは約1万回もリツイートされ、多くのブログやまとめサイトも登場した。その結果、チロルチョコのブランドは見事に守られた。一方で苦情を投稿したツイッター・アカウントは閉鎖されてしまった。」

なお、この一連の対応を統括したのが今回社長に就任した息子の松尾裕二氏です。現在31歳とのことなので、当時はまだ27歳だったことになります。

経営者として、ことが起こった場合、すぐに自らが問題の矢面に立つ覚悟を持つことは当たり前のことです。

ですが、それと同時に社員が一丸となって、経営者がきちんとした情報のもとに矢面にたって対応できるような前提づくりもセットで行わなければなりません。

この企業は、そのことを当たり前のこととして知り、普段からそのために何をすべきかが分かっているということが今回分かりました。

このような事実を知ったうえで今回の広告について見てみると、その評価は大きく変わってくるように感じました。

心の底から参考にさせていただきたいと思いました。

 

 

 

 

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