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衝撃的ニュース

2016年2月5日 CATEGORY - 代表ブログ

英語学力        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

先日(2016年2月3日)の読売新聞の朝刊1面に「衝撃のニュース」が載りました。その概要は以下のようなものです。

「調査は全国の国公立の中学3年生6万人と高校3年生9万人を対象に実施され、中3では当初の目標の『英検3級程度以上』の生徒の割合が最も高い『書く』でも43.6%、『読む』は26.1%、『聞く』は20.2%にとどまり、いずれも目標を下回った。高3では、昨年の調査に引き続いて二回目の調査だが、目標の『英検準二級~二級』の生徒の割合が『読む』は32%、『聞く』が26.5%、『書く』が17.9%、『話す』が11%となっており、昨年の結果である『中学生レベル』が4技能ともに70~80%だったのに比べるとやや改善した。今回の高3は『脱ゆとり教育』を掲げた新学習指導要領の実施で学ぶ内容が増えた生徒たち。」

今回の読売新聞の記事に対して私が驚いたポイントは二つあります。

一つ目は、高3に関して目標の『英検準二級~二級』の生徒の割合が『話す』が11%と言う事実です。

私は今までこのブログにおいて昨今の学校英語教育が、コミュニケーション重視の名のもとに、極端な文法軽視の方向にシフトしてしまっていることの懸念を表明してきました。それは、いままでの学校教育が「文法重視」でやってきた結果、使い物にならなかったのだから、今度は逆に会話重視でいくという極端に短絡的なものでした。 つまり、これは文法の体系的な理解なしに、「こう来たらこう返す」的な九官鳥英語の推進です。

しかし、これでは、挨拶+αの限定的なコミュニケーションは取れるようになっても、込み入った話は一切お手上げというように応用がきかなくなってしまうというのが当たり前の懸念としてありました。

そして、今回この懸念が、ズバリ現実のものとなって数字として明らかになってしまいました。しかも、それは皮肉にも、文法軽視、会話重視で行ったのにもかからず、逆に「話す」が全ての項目のうちで圧倒的に低い結果となっているのです。

二つ目は、記事の最後に書かれていた重要なヒントです。

それは以下のようなものでした。

「高校で『書く』力が2級以上の生徒の7割、中学で3級程度の生徒の7割は複数の技能を統合した授業を受けていた。こうした授業は読み書きをしたことを英語でまとめたり、自分の考えを英語で書いたりするなどの内容が多いという。」

この「技能統合型授業」の実践は、私が従来から主張してきた本来日本人がとるべき学習形態だと思っています。

文法と語彙の習得をおろそかにせず、またそれだけに終始せず、それらを活用してコミュニケーションにつなげるところまでを学校教育で行うこと。 このことを実際に行って結果を出している学校があるということに拍手を送りたいと思います。

ただ、一方で、このような授業を日本全国で実施することが可能となるには、そのような授業を実施することのできる教員の養成など相当な覚悟と準備が必要だということを忘れてはなりません。そして、学校教育の限られた時間だけでそれを完結することは現実的には非常に難しいことだということも、認識した上で取り組むことが重要です。

最後に、このブログを締めるにあたり、英語教育についての金言が記事の終りに書かれていましたのでご紹介します。

この技能統合型授業を行っている横浜市の市立大綱中学校の先生の以下の言葉です。

「卒業後も英語を学びたいと考える生徒が8割を超えており、授業の工夫で生徒の意欲を高めることが英語力の向上に繋がっている。」 まさにその通りだと思います。

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