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話すチカラ

2020年5月10日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

土曜の夜22:00のTBS「ニュースキャスター」というビートたけしさんの番組があります。

その中で、ビートたけしさんはいつも「暴走」するのですが、その暴走は番組制作側にとっては何を言うのか分からない「怖さ(見ている方としては面白さ)」があるだろうなと思ってみています。

この暴走は番組の流れなど全く関係なくなされるので、許されない領域ギリギリ、もしくはその領域に達してしまっていることもあるのではと思うのですが、それでも彼が降板させられない理由は、もはや彼が「ビートたけし」だからとしか言いようがありません。(笑)

ただ、もう一つ理由があるとすれば、その「暴走」をいつも適当なところでまとめ上げ、「情報番組」の枠の中に収められる名脇役がこの番組にいることかもしれないと思っています。

その脇役とは、TBSアナウンサーの安住紳一郎氏です。

彼ともう一人、何度もこのブログではご紹介していますがこれまたこの番組のコメンテーターをつとめられている明治大学の齋藤孝教授とが共著者である「話すチカラ」という本を読みました。

本書では「話す力」にまつわる様々な事例を出されていたのですが、その中でも最も印象的だった部分を引用します。

「人の集中力は15秒持たない。このルールから、15秒を過ぎて同じ話を続けていてはいけないことが分かります。私が放送で30秒の時間を与えられた時には、15秒が2セットあると考えて話題を展開します。例えば、前半15秒で『このところ関東では雨が続いていますが』といった天気の話をしてから、後半で本題の告知をするという具合です。45秒であれば、『序破急』の三分割、60秒であれば『起承転結』の4分割。いずれも15秒単位で話を組み立てるのが理想です。」

このエピソードによって思い知らされたのは、「プロの仕事」とは何かということです。

よく、「人を一度や二度納得させる仕事は素人でもできるかもしれないが、人をずっと納得させる仕事はプロでなければできない。」と言われますが、本書での安住アナの「話す」という行為はまさに「プロの仕事」そのものだと思わざるを得ませんでした。

たかが「話し」、されど「話し」。

彼は、おそらく自分自身にその「話し」に関する「才能」があると思える何かを感じたから、この「話し」を仕事にすると決めたのでしょう。

ただ、それだけではなく、その才能がある彼がここまでのストイックさで戦略を引き、戦術を磨いてその仕事に向き合って視聴者の前に立っている。

この積み重ねがあってはじめて冒頭のような活躍を私たちは「継続して」観られるのだと言うことを当たり前のことですが、改めて思い知らされた感じがしました。

今一度、自分自身の仕事が「プロの仕事」であるのかどうなのか、点検せずにはいられない気持ちにさせられてしまいました。

 

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