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英語民間試験活用、高校7割「延期すべき」

2019年9月16日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

2020年の大学入試改革における英語民間試験導入に関するニュースですが、前回は「全国高等学校長協会(高校側)」の要望に対しての文科省の「文科省英語民間試験のサイト開設」という答えについてご紹介するブログ記事を書きました。

今回は、その文科省の答えに対しての高校側の反応についてお伝えします。

先日(2019年9月11日)の日経電子版に「高校の7割が民間試験活用を延期すべき」とのタイトル記事がありましたので以下に重要な部分を引用します。

「2021年1月に始まる大学入学共通テストで活用される英語民間試験について、全国高等学校長協会は10日、文部科学省に活用を延期した上で制度を見直すよう求める要望書を提出した。実施方法で未確定部分が多く、全高長の調査でも7割の高校が延期を要請。全高長の萩原聡会長(東京都立西高校長)は担当者との面会後、記者団に『文科省が改善に動いているようには見えない。一度立ち止まるべきだ』と話した。ただ、文科省は予定通り実施する姿勢を崩さず、入試をめぐる混乱はなお続きそうだ。全高長は7月、実施方法の確定や周知、経済格差や地域格差の解消などを文科省に要望。同省は8月に受験生向けの情報を集めたポータルサイトを開設した。だが、民間試験の実施団体が『受験生側のニーズを踏まえて、実施方法を決める』などとして詳細は固めておらず、高校側には不満が出ていた。要望書では文科省や大学入試センターが実施団体へ直接的な働きかけをせず、要望が解決していないと指摘。『課題を解決しないまま開始することは極めて重大な問題だ』とした。全高長が7月に全国470校を対象に行った共通テストに関するアンケートによると、英語民間試験の活用について、全体の69.1%が『課題が解決されるまで実施を延期すべきだ』と回答。解決すべき課題を複数回答で聞いたところ、最も多い74.5%の高校が『経済格差』を挙げた。『公平性・公正性』が74.3%、『地域格差』は70.0%だった。」

もう何度も言っていることですが、「教育は国家百年の計」です。

にもかかわらず、「司令塔」と「現場」の意思の疎通がまったくできず、非常に重大な制度変更の開始目前にこの混乱ぶりを当事者である受験生に対しても晒してしまうこの教育の現状をどのようにとらえればよいのでしょうか。

この制度については、大学側としては、制度の実施に関する「準備不足」だけでなく、このブログでずっと取り上げてきたように紆余曲折がありながらも東京大学を中心としてその制度自体の不備を指摘してきました。

ただ、高校側については、これまでは制度自体の不備を直接指摘するのではなく、あくまでも「準備不足」を中心に要望を出されてきたように思います。

しかしながら、今回は明確に「文部科学省に活用を延期した上で制度を見直すよう求める」という制度自体の不備とその修正の必要性に言及されたことが非常に大きいと私はとらえました。

もう一度言いますが、「教育は国家百年の計」だという意識をもち、今後も「現場」としての本来あるべき主張を継続していただきたいです。

 

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