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13歳からのアート思考

2020年12月21日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

以前に、「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか」という書籍を紹介して、「アート」は「非合理」ではなく、「超合理」な存在であり、「論理」や「理性」でやれるところまでやったなら、あとはこの「超合理」に問題解決を任せようというのが、今どきの世界のエリートの選択なのだという考えをご紹介しました。

非常に、深い考えさせられる本だったのですが、その著者である山口周氏が推薦されていたので、「13歳からのアート思考」という本を読みました。

本書で一番訴えられているポイントは、次のピカソの言葉に集約されています。

「すべての子供はアーティストである。問題なのは、どうすれば大人になった時にもアーティストのままでいられるかだ」

そして、アーティストでなくなるタイミングというのがだいたい「13歳」ということのようです。

おそらく、前著でいうところの「超合理」の部分はすなわちピカソが言うところの「アーティスト」的感覚という理解でいいと思いますが、本書ではこの「アーティストのままでいられる大人」になるための思考について考えようというものです。

具体的にはその思考のプロセスには以下の三つの要素が含まれているようです。

①「自分だけの物の見方」で世界を見つめ

②「自分なりの答え」を生み出し、

③それによって「新たな問い」を生み出す

つまり、アーティスト的なもののポイントは、あくまでも「自分自身」ということになります。

このことを著者はタンポポの生態に喩えているのですが、その生態の説明が以下のように非常にアーティスト的でした。

「タンポポの花は一年のうち春先にたった1週間しか咲きません。その後すぐにしぼんで綿毛に変身し、それを飛ばし終えると、夏は根だけになって、地上からすっかり姿を消します。秋が来ると葉だけを地上に出し、そのまま冬を越します。ただ根が圧巻です。四方八方に向かって伸びる根は複雑に絡み合い結合しながら、何の脈略もなく広がっているように見えます。地上ではほかの植物が次々ときれいな花を咲かせ、誰もが賞賛するような見事な花もあります。しかし、タンポポはそれらに全く気をかけずただ夢中で根を広げることに夢中になります。不思議なことに、何の脈略もなく生えていた根たちは、あるときどこかで一つにつながります。それはまるで事前に計画されていたかのように。そして、根がつながった瞬間、誰も予期していなかったようなタイミングで突然花が咲きます。地上の他の植物の花よりも堂々とした花が。つまり、タンポポにとって花は単なる結果であり、この根の成長を中心とした過程こそに夢中でいることがタンポポの本質です。」

本書では、「論理」や「理性」という一見私たちが唯一の「正解」であるという認識が、実は数ある「物の見方」のうちの一つを暫定的にそう思い込んでいるものに過ぎないということを、実際のアート作品を利用していくつもの「見方」を試すことで明らかにしてくれています。

そして、確かに「論理」や「理性」によってだけではなく、自分自身の見方を駆使した「超合理」によって自分自身の「答え」を出すことの大切さを実感させてくれています。

著者ご自身も本書を自分自身の「表現の花」と言っていますが、「アートについての解説」というテーマに対して、「自分だけの物の見方」でそれを見つめ、本書というここまで独創的な「自分なりの答え」を出された著者は本物の「アーティスト」だと思います。

著者のような美術の先生がいる学校で学ぶことができたらどれだけ幸せだったか、と愚痴をこぼしそうになりましたが、気を取り直して今日からでも自分の「興味の種」から根を伸ばしていこうと決心しました。