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AIには何ができないか

2021年5月21日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回の「シン・二ホン」の記事では、徹頭徹尾、現在の日本の現状の至らなさを鋭く突き付けられ、しかもその至らなさは、「指数関数的」に増幅し、世界のトップランナーである米国、そしてこれからトップランナーになっていくであろう中国との差が取り返しのつかないところにまで到達しつつある事実を目の当たりにさせられました。

そして、そのような現実は、日本がいまだに「AI-ready」、すなわちAIのプレゼンスが極度に高まった時代への準備ができていないということから生じていることを学びました。

そこで私はその不安を払拭するために引き続いて「AIには何ができないのか」という本を読むことにしました。

なぜなら、我々人間が「AI-ready」な状態へスムーズに移行するためには、AIに対する「恐怖心」をなくすことが一番だと考えたからです。

そして、私たちが現時点で感じている「恐怖心」は、私たちがAIと同じ土俵で「競争」しなければならないという思考の前提から生じていると思ったからです。

本書を読むことで、AIと私たち人間の能力は根本的に異なる方向性のものであることから、彼我は「競争」ではなく「共生」の関係にあると理解でき、「安心感」をもって「AI-ready」な状態へ自分たちをもって行けるような気がしました。

私の世代は、大学をほぼパソコンなしで卒業できた最後の世代ですが、本書は「コンピューター言語」の基本の基本を示すことにページを割いてくれていて、私のような「アナログ人間」にもコンピューターがどのように動くのかを理解させてくれています。

その部分を少しだけ引用したいと思います。

「コンピューターには一つ一つ毎回指示をしなければならない。どんなに複雑なことでも、単純な指示の積み重ねでなければならない。そして、コンピューターには『応用』の自発性を全く期待できない。つまり、『応用』は人間の指示からしか生じない。」

にもかかわらず、ついつい私たちはAIを過大評価してしまいます。そこで、本書は以下のように私たちに冷静になることを促しています。

「(なんとか単純な指示の積み重ねでコンピューターに『Hello, world.』とタイプし印刷することに成功したとして)ただし、これだけは言える。何か物事を行う際にテクノロジーを使ったほうがいいという意見は、コンピューターで『Hello, world.』と書く方が、紙に手書きするよりもいいと言っているようなものだ。一方がもう一方よりも本質的に優れた価値を持っているということはあり得ない。大切なのは、個人がそれをどのように体験し、また現実世界における重要度がどうなっているかということだ。『Hello, world.』の場合、どの方法で書こうとも重大な差異はない。」

つまり、常に人間は何らかの問題解決の必要に迫られたとき、自身が「アナログ」な存在であることを前提にして、AIやビッグデータを活用したほうが有利であことを「見極め」た上で活用するという姿勢が重要であるということのようです。

このAI・ビッグデータの時代に「国内留学」という人間と人間のつながりをビジネスのコアの部分においているランゲッジ・ヴィレッジはその「見極め」の結果、「アナログ」の方が有利であると判断しているということかもしれません。

前回の「シン・二ホン」にて絶望的に脅かされた後でしたので、「彼を知り己を知れば百戦危うからず」の境地とまではいかないまでも、少しだけAIやビッグデータを上から目線で見つめる余裕ができた気がします。

 

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