
BVLGALIのUがVな理由
2020年9月6日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
前回ご紹介した「フォントのふしぎ」にいくつか興味深いお話がありましたので、今回と次回の二回にわたって、文字に関する記事を書きたいと思います。
今回のテーマは、「ブルガリのV」についてです。
もちろん、皆さんは高級ブランドの「ブルガリ」についてはご存知ですよね。
でも、このロゴをよく見てみると、「BLVGARI」となっていて、発音からすると「U」であるべきところが「V」になっていることに気づかれていますか?
お恥ずかしながら、私はその事実すら気づくことがなく、今までこのロゴをそのまま認識していました。
今回は、このブルガリの「U」が「V」になっている理由について本書よりご紹介したいと思います。
「古代ローマの遺跡には、Uの字がありません。このころはまだUの字がなくて、発音の違う『U』も『V』も同じVで表していました。アルファベットの文字の中でも、Uは新参者なんです。『U』の発音を表す文字としてVと区別して使われ始めたのは大雑把に言って1700年前後らしいです。」
そう言われれば、ローマ帝国時代の石に刻まれたものって、なんか妙に『V』が多いなあと以前から感じてたような気がするようなしないような。(笑)
ただ、ブルガリの創業は1884年ですので、アルファベットに『U』がお目見えしたのが1700年ということを考えると、ロゴを決定した時には、とっくに『U』は存在していたわけで、これはBVLGALIのUがVな理由にはなりません。
その理由について、本書は以下のように解説しています。
「ローマ帝国の碑文のような雰囲気を出したい。つまり、『U』の代わりに『V』を使うことで、『歴史があるぞー』と言いたいわけです。」
この理由を知って、「なーんだ、ブルガリも大したことないじゃん!」と一瞬思ったわけですが、私自身が、「その事実すら気づくことがなく、今までこのロゴをそのまま認識していた」という事実を改めて考えながら、前回の記事で引用した次の言葉を思い出しみました。
「スープを飲んだ後、使ったスプーンのカタチがありありと思いだせるようなら、そのスプーンのデザインは悪かったということだ」
やはりブルガリはブルガリだと思わざるを得ないと考えなおしました。