代表ブログ

Chance(チャンス)

2025年4月13日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

今から25年も前に、日本人の、いや少なくとも私の「投資」と「消費」についての理解を180度変えることに貢献した「金持ち父さん 貧乏父さん」に匹敵するような非常に内容の濃い経済啓発本を読みました。

そのタイトルは「Chance(チャンス)」で、その名の通り、上記の本に匹敵するほど多くの人々にチャンスを与えてくれること間違いなしの内容でした。(実はこの本も2003年発刊ですので結構古いものですが、2017年に文庫化されたことで私の目に留まることになりました。)

見方によっては「金持ち父さん」のパクリではないかと思えるくらいの既視感があったのですが、「金持ち父さん」との間で違いがあるとすれば、対象の中心が「資産投資」であるか「会社経営(からの人生経営)」であるかの違いがあるということと、ストーリーの舞台が日本であり、日本人によって書かれているので、日本人にとってはより親近感をもって受け取ることができるという点に違いがあります。

とは言え、内容はすぐに引き込まれる本当に素晴らしいものでした。

その素晴らしさが分かる一部分を以下に引用してみます。

本書では、主人公の経営の師匠である弓池がしばしばビジネスの極意を伝授する場面が出てくるのですが、その最も重要なポイントとなるものとして、「ビジネスはホームランではなくヒットを確実に打つこと」だと指南します。

具体的に、そのために必要なこととして以下の4点を挙げています。

① 世の中に同じビジネスがすでにいくつかあること。(つまり市場が存在していること)

② 二社以上の「大手」が熾烈な競争を繰り広げていないこと。なぜなら、複数の大手が競争すれば多数の改良や革新の努力が重ねられていて簡単にまねができず、入り込むすきがないから。(逆に一社独占の状況では、安穏としていることが多いのでチャンスとなる。)

③ そういう業界を見つけたらそこそこ儲けているやり方を真似る。そして工夫と改善を加えてそれより少しでも良いシステムを作り上げる。

④しかもそのビジネスを好きかどうかはほとんど関係ない。嫌いでさえなければよい。逆に好きすぎてこだわりを持ってしまうと逆に経営がおろそかになる心配さえある。

「金持ち父さん」においても本書においても、語られている極意というものは、すでに体系化され、大学の経営学部などで教えられているものに過ぎません。

例えば、上記の極意(特に②)などは経営学部出身者であればだれもが知っているマイケルポーターの「競争戦略論」で説明されていることです。

ですが、本書の中で師匠である弓池が主人公に具体例をもって教え諭すストーリーの中で聞かされると、大学の講義で学ぶよりもずっと腹落ちするような気がするのです。

これは、以前にこのブログの「本日は、お日柄もよく」という記事の中で、

「物語という手法を書籍というメディアに載せた『小説』という形態は、『知識を広める』という目的に対して非常に有効だということに気づかされたのです。おそらく、単なる実用書としての制約条件の理論の『書籍』よりも、この物語という手法を書籍というメディアに載せた『小説』という形態の方が何倍もその目的を効果的に達成することができるのだろうと思いました。」

と書いたように、ストーリーの効果そのものなんだろうと改めて感じることができました。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆