代表ブログ

SDGsの活用方法

2019年8月12日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

突然ですが、「SDGs」を知っていますか?

外務省のウェブサイトでは、

「SDGs(持続可能な開発目標)とは2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組む普遍的なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます」

と説明され、私の実感ですとここ一年で一般的に認知される社会的「合言葉」にのし上がった感があります。

実は、私が所属するボランティア団体「青年会議所(JC)」は、日本で最もこの目標にコミットすると自称する団体であり、JCが行う事業の議案には必ず、SDGsの「17のゴール」のうちのどの番号のゴールを目指して行うのかということを明示することになっています。

ただ、この明示については正直言って、上からやれと言われているのでやっているという「やらされ感」があることは否めません。

ですが、先日、日経ビジネスの記事を読んでいて、企業の事業とSDGsとの関連が非常に上手にいっている事例を見つけましたのでご紹介したいと思います。

「ミドリムシの屋外大量培養技術を基に、健康食品の開発やバイオ燃料の研究を進めているユーグレナは2019年8月9日、朝刊広告で18歳以下のCFOを募集するプロジェクトを告知した。CFOといっても一般的に使われる「Chief Finance Officer(最高財務責任者)」ではない。「Chief Future Officer(最高未来責任者)」の略称だ。CFOの任務は国内外で開催されるSDGs関連イベントへの出席、ユーグレナの株主総会での活動内容発表など、多岐にわたる。選考を経て、19年10月にユーグレナと業務委託契約を締結する。応募資格は2020年3月時点で18歳以下、契約期間は2020年9月30日までの1年間となる。報酬も支払うという。企業ガバナンスに詳しい祝田法律事務所の西岡祐介パートナー弁護士は「未成年の柔軟な意見を経営に取り込もうとする動きで、コーポレートガバナンス・コードなどで提唱されている経営におけるダイバーシティの確保を一歩進めている」と評価。国内でも、あまり例のない動きだという。「現在の経営陣だけで将来の課題解決に向き合っていくのは不十分」。ユーグレナの永田暁彦取締役副社長は18歳以下のCFO募集に踏み切った理由をこう語る。ユーグレナは2018年10月に日本で初めてバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを建設。2025年までに廃食油とミドリムシを用いたバイオ燃料を年間25万キロリットル、2030年までに年間100万キロリットルを製造し、供給する体制を整えることを目標としている。先端技術を用いて社会課題を解決する事業を確立していく動きを「Deep Tech(ディープテック)」と呼ぶ。ディープテックは事業化までに時間を要するケースが多い。ユーグレナの事業はディープテック領域となるため、環境問題を“将来の自分ごと”として捉えられる世代の意見を経営に生かしたい考えが背景にあるようだ。」

記事中に、「コーポレートガバナンス・コードなどで提唱されている経営におけるダイバーシティの確保」という表現がありましたが、SDGsの実施指針のなかにも「①あらゆる人々の活躍の推進」という項目がありますので、おそらくこのユーグレナさんの動きはコーポレートガバナンス・コードのみならず、SDGsのこの指針を意識されているはずで、まさに企業の事業とSDGsとの関連が非常に上手くいっている好例だと思ったのです。

しかも、一般的には未成年を役員にするなんて、ただの話題性狙いだろうといううがった見方をされることも十分に考えられますが、この関連を明示することによって、「環境問題を“将来の自分ごと”として捉えられる世代の意見を経営に生かしたい考え」という背景が明確になるように思います。

どれだけ環境負荷をかけようとも自分が生きている間は逃げ切れるだろうと思っている「大人」の判断だけで企業経営をするのと、経験的には明らかに未熟でも絶対逃げ切れない世代の「自分事」としての判断を経営に生かして企業経営するのと、どちらが持続可能性が高い経営に結び付くのかを考えれば、単に話題性だけを目的にしたものと切り捨てるわけにはいかないと思います。

このように、SDGsを単なる掛け声に留めず、自らのビジョン達成の実質的手段として活用するような団体が増えれば、おのずとSDGsの目標も達成に近づくことを実感しました。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆