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the barは酒場じゃない?

2019年12月16日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

このブログで日経電子版の記事をご紹介することがありますが、その中でデイビッド・セインさんの「ビジネス英語  今日の一場面」というコーナーがあります。

これは、日本人の間違えそうな会話を切り取って、その誤解を解く解説をデイビッド・セインさんが加えてくれるという内容です。

少し前(2019年9月26日)の回になりますが、「the barは酒場じゃない?日本人が驚く隠れた意味」という非常に興味深いテーマだったため、ここでご紹介したいと思います。

私としてはbarと聞けば「お酒を飲むところ」というイメージが浮かんでしまいますが、そもそも、その前に最も基本的な意味としては、chocolate barのbar、すなわち「板」というのが基本でしょう。

そのことを前提に本記事での解説を聞くと、なるほどな~と思えてきます。

まずは、こんなやり取りが切り取られていました。

Steve: Wow!
Yuka: What happened?
Steve: I got an email from my sister. It’s about my nephew.
Yuka: Oh, yeah?
Steve: He was admitted to the bar.
Yuka: Okay, so…
Steve: It’s amazing! He really tried hard.
Yuka: I’m not sure why you’re so impressed.
Steve: What? Seriously?!

「上の会話では、スティーブの言ったHe was admitted to the bar.というフレーズの意味をユウカがよく理解できなかったことから、その後のずれが生じました。英語圏ではこうした場合にthe barを用いた言い回しをするのですが、日本人にはあまり知られていないようです。この表現を聞いて、ユウカは心の中で次のように思ったのでした。He was admitted to the bar.って、なんのこと? admitには「入場を認める」の意味があったはずだから、「彼はバーに入れてもらった」ということ? 成人したばかりのおいっ子がようやくバーに入店できた、とでも言いたいのかもしれないけど、わけが分からない!」

確かにほとんどの日本人はこのように感じてしまうと思います。それでは、セイン先生に誤解を解いてもらいましょう。

「みなさんご存じのとおり、barと言えば『棒』です。あるいは板状の長いものを指します。たとえばa bar of chocolateならチョコバーや板チョコですし、また、長い横木を使った『カウンター』のこともbarと言います。そこからカウンターのある店や売り場もbarと呼ばれますので、お寿司屋はa sushi barと言います。もちろん、カウンターでお酒を出す店、つまり『バー』のことも指しますので、ユウカはこの意味でbarという語を解釈したのでした。ところが、barにtheをつけてthe barと言ったときには、『法廷』の意味を持ちえます。長い横木の手すりによって傍聴席から仕切られた裁判の場というイメージです。そして、これは法曹界、とりわけ弁護士の世界を表す言葉にもなるのです。」

日本語にも英語にも、その文化圏における背景を理解していなければ、字面だけでは全くチンプンカンプンな表現は当然出てきます。

そのような表現に出会うたびに、このように細かく分解して誤解を解いてくれる機会が与えられたら、その学習はどれだけスムーズに、そして楽しくなるでしょうか。

なにより、この納得感によって記憶への定着率は、bar=「板」「酒場」「法廷」というように何の脈略もなく頭に入れることに比べて圧倒的に高いものになります。

やはり、語学習得に「なぜ」は必須です。

 

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