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世代の違いを概観する

2019年6月30日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

日本におけるマーケティングの神様とも呼ぶべき神田昌典氏の比較的新しい書籍「インパクトカンパニー」を読みました。

神田さんの書籍にはいつも新しい発見があるのですが、今回も大きな発見がありました。

その発見があまりに衝撃的だったので、自分自身の知識の整理としても、今回から三回にわたって、今私たちが知るべき三つの「新しい知識」について書いていこうと思います。

第一回目は、「1980年代生まれの世代とそれ以上の世代との本質的違い」についてです。

ゆとり世代などといわれ、とかくマイナスイメージを持たれている(厳密には「ゆとり教育」は1987年生まれ~2004年生まれの人々に施されているので、1986年生まれまではその範疇ではないが)のですが、本書を読むと別の見方もあるのだということに気づかされます。

著者は「1980年代生まれの世代」と「それ以上の世代」の性質を以下のようにとらえるべきだと言っています。

「人間の価値観は9歳から11歳の間、小学校中学年から高学年の間に夢中になったものやストーリーによって形成される。その時の体験が一生を決めると言っても大げさではない。1964年生まれの私の場合、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』だ。これらに共通するのは『自分と異質なものを敵とみなしてそれをやっつける』という価値観だ。また、『目標達成するよりも、そのプロセスの気合と根性を重視する』というのも共通している。だからウルトラマンはカラータイマーがなるまで一生懸命やらなかったり、怪獣と戦って街を破壊し、死んだ怪獣を放置して去っていくなど『環境問題なんてお構いなし』だ。それに対して、1980年代生まれの人たちは、『ゲーム』に影響を受けている。生まれたころからコンピューターゲームがある環境で育っているから、ゲームの世界観が価値観の形成に大きな役割を果たしている。彼らが影響を受けたのはポケモンの世界観だ。まずは『周囲を敵視しないで一緒に遊ぶ』という価値観だ。彼らはこうした世界観の中で育っているので、誰かを蹴落とそうとするのを好まない。先に述べたように皆で共生できるよう、『世の中をどのように作り上げていくか』という社会変革に強い興味を示すのである。また、様々なポケモンと触れ合うことで、『多様性・ダイバーシティーを認める』という考え方も当たり前のように備わっている。ついでに言うと、彼らはカラータイマーがなるまで本気を出さないウルトラマン世代と異なり、『変なムラがなく軽やか』だ。(一部加筆修正)」

う~ん。自分とは異質なものを理解することはそもそも難しいことなので、ここまで分析的に言われてしまうとちょっと反論してみたくなってしまいます。

例えば、ではなぜ彼らの世代に「いじめ」がかつてより陰湿になっているのか?

僕らのころだったら、LINEでの既読スルーでいじめに発展するなんてことは考えられなかったではないですか。『多様性・ダイバーシティーを認める』こととは相いれないようにも思います。

神田さんは、これらのマイナス面を本書では一切取り上げていないので、ゲームを子どもから遠ざけようと現在進行形で奮闘している私としてはこのような問題を取り上げてバランスをとりたいと思い、ちょっと意地悪な反論をしてみました。

ただ、1980年代世代の若手経営者が、私たちには理解できない発想で、けた違いのビジネスを「スマート」に立ち上げて成功を収めているケースが少なくないのも事実です。

神田さん曰く、「彼らはお金に対してさしたる興味を示さない。IPOや事業外客で巨額のお金を手にしてセミリタイアなんてことも口にしない。社会問題の解決、社会変革を第一に考えているのだ。」

著者が本書で紹介されている株式会社バンクの光本氏、メタップスの佐藤氏、SHOWROOMの前田氏、筑波大学の落合氏らのビジネスとのかかわり方は少なくとも私には理解できない「すばらしい」ものだと思います。

完全にこの世代間ギャップを著者のような見方で理解することはできませんが、ただそのような見方が存在することを知識としてすることができたことは非常に大きな収穫だったと思います。

ですので、次回と次々回、彼らの世代の象徴である二つの「新しい知識」について詳しく見てみたいと思います。

 

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