代表ブログ

専門家会議の廃止

2020年6月29日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

ランゲッジ・ヴィレッジは昨日(2020年6月28日)に休業を終え、通常業務に戻っています。

今まで、弊社の新型コロナウィルス対策の決定の前提として、ほぼすべて政府の「専門家会議」から出される情報のみを信頼できる情報として活用してきました。

そして、その情報についてはこのブログにおいても逐次参照してきました。

ところが、先日(2020年6月24日)、政府は突然「専門家会議の廃止」を発表しました。この件について、まとめた東洋経済の記事がありますのでご紹介します。

これには、非常に驚きました。

というのも、日本は「専門家会議」から出される科学的に見地に基づいた分かりやすい説明とそれに基づく対策提案として、例えば他の多くの国が採用したようなPCR検査を最優先にした政策ではなく、クラスターを迅速に見つけて確実につぶすという独自の手法を基本として行ってきました。

それによって日本は、他国とは比べ物にならない「成果」を今に至るまで実現しています。

そして、この日本のコロナ対策の他国とは比べ物にならない圧倒的な「成果」に対する国民の評価は、明らかに政府ではなくこの専門家会議に対して向けられていたという実感がある中での「廃止」の発表だったからです。

ただ、この東洋経済の記事にもあるように、二度のタイミングを経て段階的に国民の専門家会議に対する見方が変化がしてきたと私自身感じるところがあります。

それは「8割おじさん」こと北海道大学の西浦教授が会見で「行動制限を取らなければ、収束までに42万人が死亡する」との試算を示して「人と人との接触を8割減らす」ことを提言したとき、それから「専門家会議における議事録が存在していない」ということが明らかになったときです。

この二つの出来事を経て、今まで絶対的な信頼を専門家会議においていた日本国民の中に、「あたかも専門家会議が政策を決定しているのではないか」とか「人々の生活にまで踏み込んだ」と受け止め、警戒感を高める人が増えてきたように思えます。

しかし、それでも全体としては他のどの組織からの情報よりも圧倒的にこの専門家会議からの情報は信頼がおけると感じている人の割合は高いと思いますし、このタイミングでの「廃止」の決定には納得できない気持ちを持っている日本国民は多いのではないでしょうか。

しかも、この記事の中では、次のような事実も紹介されています。

「岡部氏(専門家会議のメンバー)に至っては、かつて議事録の公表が問題になったとき、会見の席上、『誰がどういう発言をしたかというのは責任を持ったほうがいいと思うので、できればそういうほう(議事録の公開)がありがたい』と言ってはばからなかった。政府から独立していることの証左でもある。」

ますます、政府が今回の「廃止」決定を決めたその判断の裏には何があるのかを考えざるを得ません。

今後、第二波、第三波にも備えなければならないことを考えると、政府は、専門家会議廃止の決定の意味合いを国民が完全に納得する形で明らかにすべきですし、専門家会議の代わりに新たに発足される他分野の専門家を交えた分科会の機能については、十分に熟慮していただきたいと思います。

私個人としてもこの数か月の不確実な現実の中で、彼ら「専門家会議」の存在は、現実的に事業を継続しなければならない私たち経営者にとっての暗闇の中で行き先を指し示す一筋の光であったと言っても過言ではないと思っています。

心から、今までの「専門家会議」の皆様のご苦労を労いたいと思います。

本当にありがとうございました。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆