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新・仕事力

2021年1月17日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

アフターコロナの時代のビジネス社会に求められる能力や条件とは何かを解説した大前研一氏の「新・仕事力」という新書を読みました。

それは、ズバリ「結果を出す人材」になるということ。

いや、それはこのご時世誰もが言っていることで、あの大前さんが改めて言うようなことでもないでしょうと思って読み始めたのですが、さすが世界のKEN大前でした。

その誰もが言う「結果を出す人材」像を、誰も言わない論法で非常にイメージしやすい形で明らかにしてくれていました。

例えば、「結果がすべて」ということが求められることを前提とすれば、誰もがこれからの日本の労働に関して当たり前だと思って使っている「正社員を増やして非正規社員をなくす」「働き方改革」などのキーワードに対して全く的を外しているとして全否定されています。

「正社員」とは生産性が低かろうが解雇されることがない社員です。

「働き方改革」によって長時間労働を禁止するということは、あくまでも「労働時間」にのみ意識が向いた考えであって、「結果」に対する意識が皆無のモノの見方です。

つまり、これからは「正社員」とか「非正規社員」という区別なく、「求められる結果」を出すか出さないかで評価される「働き手」だけが求められるべきだという指摘です。

具体的には、「正社員」と「非正規社員」の違いはもちろん「ブルーカラー」と「ホワイトカラー」の区別さえも関係なく、AIの導入によって「定型業務」から労働者を解放し、経営戦略やクリエイティブなど人間にしかできない思考力・判断力・経験が要求される「非定型業務」を行う「働き手」です。

しかも著者は、以下のようにそのような働き手をより具体的に表現してくれています。

「(現在でも)文科省の学習指導要領の埒外である一流の料理人などは常に研鑽・努力を怠らず、その日仕入れた食材に応じて最大限の創意工夫を凝らし、世界トップレベルの料理に仕上げている。食材を見て完成した料理を想像する、それで十分でなければいろいろなものを組み合わせて納得のいく味に仕立て上げる。これは絶対にAIにはできない高度な技である。このようなことが当たり前に行われ、そして実際に結果を出している。」

その通りだと思いました。

このように著者が常に世の中の最先端を行くことができるのは、常に「モノの本質」を考えて行動する癖がついているからだと思います。

とは言え、すべての人間が経営戦略やクリエイティブな仕事を担うことは現実的ではありませんので、そのような「働き手」が当たり前になった時こそ「ベーシックインカム」の出番になるかもしれません。

 

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