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「象徴」ってこういうことだったんだ

2018年12月31日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

平成最後の天皇誕生日である2018年12月23日に今上天皇は記者会見を行われてお言葉を述べられました。

一つ一つの言葉に重い意味が乗った大変すばらしい会見でしたので是非動画でご確認ください。

日本は1947年施行の新憲法のもとに天皇の存在を「象徴」とする象徴天皇制をとることが明文化されていることを小学校で学びます。

ですが、この新憲法には「象徴」とは何かということが明文で定義されていません。

ですから、国民一人一人は各々その意味を想像することでしかこの「象徴」の意味をとらえることができず、多くの議論を巻き起こしても結局、結論的な定義を見いだせずにいるように思います。

今上天皇は、象徴天皇制となってから即位された初めての天皇です。

そして、今年の天皇誕生日は、その今上天皇が天皇として迎える最後の誕生日でしたが、今上天皇が今まで皇后とともに国民に対して示してこられた「生き方」を振り返りながら以下のお言葉を述べられました。

「結婚以来皇后は,常に私と歩みを共にし,私の考えを理解し,私の立場と務めを支えてきてくれました。また,昭和天皇を始め私とつながる人々を大切にし,愛情深く3人の子供を育てました。振り返れば,私は成年皇族として人生の旅を歩み始めて程なく,現在の皇后と出会い,深い信頼の下,同伴を求め,爾来この伴侶と共に,これまでの旅を続けてきました。天皇としての旅を終えようとしている今,私はこれまで,象徴としての私の立場を受け入れ,私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝するとともに,自らも国民の一人であった皇后が,私の人生の旅に加わり,60年という長い年月,皇室と国民の双方への献身を,真心を持って果たしてきたことを,心から労ねぎらいたく思います。そして,来年春に私は譲位し,新しい時代が始まります。多くの関係者がこのための準備に当たってくれていることに感謝しています。新しい時代において,天皇となる皇太子とそれを支える秋篠宮は共に多くの経験を積み重ねてきており,皇室の伝統を引き継ぎながら,日々変わりゆく社会に応じつつ道を歩んでいくことと思います。」

家庭を作るということは、異なる家庭で育った人間同士が一緒に生活をするということ、そして異なる二つの家庭の歴史が存在する中で二人が新しい家庭を築いていくということ、その中では異なる環境で育ったことから生じる多くの問題が生じること、それを乗り越えながらまた次の世代につないでいくこと。

一つ一つの家庭の中にこのようなプロセスが存在し、それらがまとまって日本国という全体を作り上げている。ですから、その一つ一つの家庭の「模範」となることを明確に意識して今上天皇と皇后は歩んでこられてきたということが分かりました。

また、現在の日本が少子高齢化に苦しみ、介護業界などで極端な人手不足にあえいでいるのはひとえに、国民が今上天皇と皇后が示された「生き方」を「模範」としきれなかったことに少なからず原因があると言わざるを得ないと思うのですが、それを解決するために日本人以外の世界の人々の手を借りなければ日本の社会が立ち行かなくなってしまったという現実があります。

その現実に対しては次のように述べられています。

「今年,我が国から海外への移住が始まって150年を迎えました。この間,多くの日本人は,赴いた地の人々の助けを受けながら努力を重ね,その社会の一員として活躍するようになりました。こうした日系の人たちの努力を思いながら,各国を訪れた際には,できる限り会う機会を持ってきました。そして近年,多くの外国人が我が国で働くようになりました。私どもがフィリピンやベトナムを訪問した際も,将来日本で職業に就くことを目指してその準備に励んでいる人たちと会いました。日系の人たちが各国で助けを受けながら,それぞれの社会の一員として活躍していることに思いを致しつつ,各国から我が国に来て仕事をする人々を,社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています。」

これらのお言葉を聞くことで、私は今まであいまいであった「象徴」の意味が初めて分かったように感じました。

それは、日本国民のあるべき「生き方」を身をもって示してこられたその自負とそれを実行することは一人ではできなかったことに関する感謝の気持ちをここまで直接的に、そしてここまで感動的に表現されたこの今上天皇のお言葉を聞いたことで、私は、身を挺してその「模範」を国民に対して示す存在たるべきことこそが、国民の「象徴」なのだということを理解したということです。

私は、右翼でも左翼でもありませんが、一人の日本人として「日本に皇室があって本当に良かった。」と思える体験が平成最後の年末にできたことに心から感謝したいと思います。

皆様、よいお年をお迎えください。

 

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