
「教えない」英語教育 #84
2014年11月6日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 「教えない」英語教育
【著者】 市川 力
【出版社】 中公新書クラレ
【価格】 ¥740 + 税
【購入】 こちら
以前に紹介した「子どもに英語を教えるな」の著者の本です。出てくる言葉がすべて本質を捉えた珠玉の言葉という本当に素晴らしい本です。
以下に、珠玉の言葉を並べてみます。
「つまり『教わる』という姿勢で英語学習に臨んでいるうちは英語が使えるようにはならない」
「試行錯誤を繰り返し、誤解や摩擦を経て何とか分かり合おうとする経験を積み重ねることによってのみ身につくもの」
「私の友人で日本人に英語を教えているネイティブスピーカーは、なぜ日本人は、せっかく目の前に英語を話せる人がいるにもかかわらず、まずテキストをくださいというのかと不思議がっていた」
つまり、「教わる」という姿勢である限りは、単なる「九官鳥英語」止まりで、しっかりとした「大人の英語」は身につかないということを様々な言葉と事例を通じて明らかにしてくれています。
試行錯誤の経験を繰り返すことは非常に大変で地道な作業です。だからこそ、「九官鳥英語」まではどの子どもも短期間で達するけれども、体系的な「大人の英語」まで達するケースは少ないのです。
「九官鳥英語」から「大人の英語」への橋渡しに成功するために必要な要素が「必然性」と「リアリティ」で、この二つをいかに英語学習に取り込むことができるかが全てだと著者は言います。
そして、この著者の素晴らしいところは、それが机上の空論にとどまっていないことです。
これら珠玉の言葉を実際に自らの教室で実践し、結果を出していることに私は敬意を表したいと思います。
文責:代表 秋山昌広