
いつまで英語から逃げてるの? #319
2024年8月16日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 いつまで英語から逃げてるの?
【著者】 堀江 貴文
【出版社】 学研
【価格】 ¥1,500+税
【購入】 こちら
「ホリエモン×英語」というテーマではすでに#198「英語の多動力」をご紹介しており、その主張で最も重要なものとして、
「AI翻訳が発展したとしても、日本人は英語を身に付けるべきだ。」
という効率性重視の堀江氏の主張としては「意外」とも思えるものを挙げさせていただきました。
ちなみに、その理由としては、
「直に生身の人間同士でコミュニケーションをとりたい」という人間本来の欲求はAI翻訳の時代になってもなくなることはないため、生身で「英語ができる」ことの価値がゼロになることはないから
ということでした。
そして、今回ご紹介する本書から著者の主張で最も重要だと私が思うものを一つ挙げるとすれば以下の内容になります。
「語学力はダイエットと同じで何もやらなければ2か月後には前と同じレベルにすぐ戻る。だから『楽しく』『少しずつ』『永遠にやる』こと。」
この指摘についてはかなりの人が、特に「永遠にやる」の部分に対して、薄々分かってはいるけれどもわざと分からないフリをしているような事柄に、正論をぶつけられたような気持になるはずです。
なぜなら、多くの英語学習者が血のにじむような努力をした結果、「一定水準」に到達したとしても、そこから何もやらなかったためにすっかり元のレベルに戻ってしまう体験しているからです。
残念ながら、私達が常に「私は英語ができます」と言えるためには、「永遠にやる」必要があるのです。
ただし、本書では「ダイエットと同じで」と指摘されていますが、その点についての私の理解は少し違います。
「語学力」の場合には、学習者が努力を重ねることで、一度「一定水準を超えるレベル」に到達した経験をすると、その後、何もやらなければもちろん元に戻ってしまうというのはその通りですが、そこからその水準に戻すために必要な努力は、明らかにかつて費やした努力とは比べ物にならないほど少量で済むはずだからです。(ダイエットでは、毎回同じだけの努力が必要です。)
ちなみに、「一定水準を超えるレベル」とは、私の経験から言わせていただければ、「文法力を基礎とした一般生活に支障がない英会話力」といったところでしょうか。
その上で、著者が「楽しく」「少しずつ」「永遠にやる」を上手に行っている事例として挙げているお笑いタレントの「厚切りジェイソン」さんに言及している部分を引用しておきます。
「彼は日本のお笑い番組を見ながら日本語を学んだ。でもその時、分からない日本語をいちいち辞書で調べるなんて面倒なことはやらなかったと言う。『だって、それをやると楽しくなくなっちゃうんだもん』と。」
本書の指摘が秀逸なのは、「永遠にやる」を前面に出す前に、「楽しく」「少しずつ」を挙げた点だと私は考えます。
あっ、でもそれはあくまでも、「一定水準を超えるレベル」に到達した経験をしてからの話です。(しつこいようですが念のため誤解のないように)