これからの英語教育の話をしよう #189
2018年8月15日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【著者】 寺沢拓敬・仲潔・藤原康弘
【出版社】 ひつじ書房
【価格】 ¥1,350 + 税
【購入】 こちら
本書は、#188「『なんで英語やるの』の戦後史」の著者である寺沢拓敬氏ら三名の若手言語学者による、「現在の英語教育」に関わる政策決定に対する厳しい批判と「これらからの英語教育」のための対案の提示の議論をまとめたものです。
つい最近までは、英語教育行政に真っ向から反対の正論をぶつける学者としては、私が「英語教育の番人」としてこの書籍紹介ブログにて頻繁に著書を取り上げる立教大学の鳥飼玖美子先生、東京大学の齋藤兆史先生、慶應大名誉教授の大津由紀雄先生、和歌山大学の江利川春雄先生の4名位しか認識できていませんでした。
ところがこのところ、#176「史上最悪の英語政策」の東京大学の阿部公彦先生や#126「日本人と英語の社会学」や前述の#188「『なんで英語やるの』の戦後史」の寺沢先生など、鋭い視点から素晴らしい論を展開する若手の存在が年を追うごとに大きくなっていくのを非常に頼もしく感じていました。
そして、今回、寺沢先生が中心となって若手学者三名がチームを組まれて本書の出版を実現されたことは、彼らが若い世代として「英語教育の番人」たろうとされていることの証であり、これからの日本の英語教育にとっての大きな希望だと思います。
本書は「英語教育の番人」の層の厚さを感じさせてくれる良書です。
文責:代表 秋山昌広