サバイバル英文法 #321
2024年9月2日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 サバイバル英文法
【著者】 関 正生
【出版社】 NHK出版新書
【価格】 ¥780+税
【購入】 こちら
#289「サバイバル英文読解」の後、その続編としての#320「サバイバル英会話」をご紹介し、その二つの内容が非常に良かったことから、それを完結したいという気持ちが強くなりまして、順番が逆になってしまいましたが読んでみることにしました。
本書の目的は、
「それぞれの文法の核心を知ること、つまり各文法を『芯でとらえる』ことで、無駄な暗記をギリギリまで減らすこと」
なぜなら、無駄な(文法)の暗記が、
① 純粋に非効率であるから
② それによって文法の本質を見失い、それぞれの「文法が発するメッセージ」を理解できなくなるから
とありました。
これだけだと本書がやりたいことを具体的につかむことが難しいですが、その後に書かれていた比喩があまりにも秀逸で、それによって上記の目的が非常に具体的に把握できたので、そのまま引用させていただきます。
「サッカーの初心者に、『オフサイドって何?』と聞かれたら、熱心なサッカーファンほど『相手チームのディフェンスの最終ラインを超えたところで仲間のフォワードがパスを受けてはいけないだよ』といった説明をしがちです。こういう細かい説明は聞き手を置き去りにしてしまいます。ではサッカーに詳しくない人にオフサイドをどう説明すればいいか。それは、そんなルールがなぜ存在するのか、その核心にあたるものは何かを考えればいいのです。プレーヤーが一人だけ敵ゴールのそばにいて待ち伏せすると、ロングパス1本であっさり得点が入ってしまいます。それを禁じるためにオフサイドというルールがあるのでしょう。一言でまとめると、オフサイドとは『待ち伏せ禁止』ということです。英文法もこのように教えれば、細かいことを覚える必要性がなくなるのと、実際に英語に触れたときに、『この文法が使われているから、こういうことを言いたいんだな』と気づく機会が格段に増えていきます。つまり、文法を芯でとらえると、そのルールがそのまま機能し、具体的に役に立つのです。」
私自身、自ら主宰する「文法講座」の中ではあらゆる文法項目において、まさにこの「文法が発するメッセージ」を丁寧に受講者に理解してもらうことをここがけていて、そのメッセージが明確になるような「理由」や「事例」を豊富に提供するようにしています。
とはいえ、すべての文法項目においてそれを徹底できているかと言えば、正直98%くらいかなという感じで、残り2%は、「すみません!この理由は分かりません。」と言って逃げている部分があります。
私はそれを100%にするために、このブログで紹介する書籍やインターネットを利用して、その2%を埋められないか常に意識をしているのですが、本書は間違いなくその役に立ってくれるものでした。