ニューズウィーク2019年4月9日号 #211
2019年4月4日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 ニューズウィーク2019年4/9号
【出版社】 CCCメディアハウス
【価格】 ¥426+ 税
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本誌は、「コミュニケーションのための英語」の真意を伝えようとしていると思います。ただ、その真意の受け取り方については少々注意が必要です。
まず、昨今の「英語は3語でOK」などといった「最小の努力で最大のリターンを得られそうなキャッチフレーズに惹きつけられる人が非常に多い」というこの風潮に批判的な学者の意見を取り上げています。
私は、逆にその「最小の努力」というものが「必要」にして「最小」である限りにおいてはそれは問題がない、いやむしろ忙しいビジネスマンにとってはそれでなくてはならないという意見です。
ただ、気をつけなくてはならないのは、多くの人がそのような言葉に強く魅かれるのは、「最小」という言葉にであって、その裏に「必要にして」という条件があることを見逃しがちであるということです。
その点について前出の学者さんも以下のような注釈を加えられています。
「中学レベルの語彙や文法を学びなおすことに意義があるのは事実だが、そこで止まっていいという意味ではない」
つまり、入り口を間違えずに、「必要最低限の努力」をもって英語学習の世界に足を踏み入れた後も、継続的にその人を取り巻く英語環境の程度に応じて自己増殖的に成長していく必要があるということです。
その過程における失敗は、こちら側が外国人である以上、あちら側も大抵のことは理解を示してくれるはずですし、スタート時点にこの失敗を恐れて何もしないことほどナンセンスなことはありません。
繰り返しますが、本誌におけるこのような警鐘は英語学習の真理をついており、本来正しいものではあります。
ただ、受け取る側がしっかりとその「真意」を理解した上で受け取らないと入り口をボトルネック化してしまうことになりかねないので注意が必要です。
是非、このような記事は、この世界に足を踏み入れて、しっかりとした足取りを確認した後に読んでいただきたいと思います。