
一度読んだら絶対に忘れないビジネス英語の教科書 #329
2024年10月17日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 一度読んだら絶対に忘れないビジネス英語の教科書
【著者】 牧野 智一
【出版社】 SBクリエイティブ
【価格】 ¥1,700+税
【購入】 こちら
前回の#328「英語丸のみ辞典 ビジネス・ニュース篇」同様に、ランゲッジ・ヴィレッジが日ごろから主張している「ビジネス英語なんて存在しない」ということの真意を理解させてくれる一冊をご紹介します。
それは、#323「一度読んだら絶対に忘れない英単語の教科書」に続く、牧野智一氏の「一度読んだら絶対に忘れない」シリーズの「ビジネス英語」版である「一度読んだら絶対に忘れないビジネス英語の教科書」です。
本書の中で「ビジネス英語」とは何か、それは次のように定義されています。
「英語ネイティブとノンネイティブの両方が使うことを前提にした『誰からも誤解されないシンプルな英語』です。」
ポイントとしては大きく三つあり、一つ目は、基本的な単語や文法で構成したシンプルな英語であること、そして二つ目は、基本的な単語や文法に含まれるニュアンスをきちんと理解すること、そして三つめは、いわゆる四技能をバラバラではなく、順序立てて一貫して学ぶという姿勢を持つことです。
この定義と三つのポイントを聞いただけで、ランゲッジ・ヴィレッジが唱える「ビジネス英語なんて存在しない」(定型的なビジネスに関するフレーズや語彙をただ覚えることの価値は著しく低い)という考えとの整合性はかなり高いことが分かっていただけると思います。
そのことを体感的に理解できる著者の指摘を以下に引用します。
「『誰からも誤解されないシンプルな英語』にするために私たち通訳者が使っているのが『ダウン・トランスレーティング』という技術です。簡単に言うと、『分かりやすい日本語に直す』ということです。頭に浮かんだ難しい日本語の文をそのまま難しい英文にするのではなく、一度簡単な日本語に直してから英語に訳すのです。」
そうです。
これって、前回の#328「英語丸のみ辞典 ビジネス・ニュース篇」の紹介文の中で私が言った、
「They specialize in mergers and acquisitions.(彼らは合併・買収を専門にしている。)という文を言いたくても「mergers and acquisitions」という語彙を知らなかった場合に、They specialize in buying companies.いや、もっと言えば、They mainly work for buying companies. に言い換えることができればまったく問題ないはずです。」
という部分そのものじゃないですか!
本当の意味で、日本人にとって英語を話すということがどういうことかを分かっている人が、「ビジネス英語」を語ると結局こういうことになるのだと確信できました。
このような的確かつ説得力の高い情報発信を目にすると本当に嬉しい気持ちになります。