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一度読んだら絶対に忘れない英熟語の教科書 #353

2025年10月7日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

【書籍名】  一度読んだら絶対に忘れない英熟語の教科書

【著者】   牧野 智一

【出版社】  SB Creative

【価格】   ¥1,600 +税

【購入】    こちら

今までこの書籍紹介ブログにおいては、#349「英語はもっと句動詞で話そう」#240「英熟語図鑑」など「英熟語」に関する書籍をご紹介してきました。

ですので、もうこれ以上はこのテーマの書籍を取り上げる必要はないかなと思っていました。

ですが、実際にLVにお越しいただいてその授業を間近に見させていただいて「この人は本物だ!」と思わせていただいた牧野智一先生が、ご自身の「一度読んだら絶対に忘れない」シリーズに「英熟語」を新しく追加されたと聞いて、取り上げないわけにはいかなくなりましたのでご紹介しいたします(笑)。

本書を読ませていただき、私が本書の詳細内容とは別に特に印象的だと感じたのは、著者の次の指摘でした。

「英語は音やテンポが重要視される傾向のある言語だと言われています。そのためネイティブは会話において発音のしやすさ(テンポ)や聞き取りやすさをとても大事にします。そういった背景からテンポが悪かったり、聞き取りにくかったりする単語や表現の代わりとして普段よく使用する単語の組み合わせでできた熟語が数多く生み出されたと言われています。」

なぜ、この一節に私が心を奪われたのか、それは私が以下の通り拙書「富士山メソッド」で伝えたかったことと完全に一致していたからです。

「私はボストン留学時代に貴重な体験をしました。それは友達の家に招かれた私は、玄関であいさつした後、『(家の中に)入っていい?』と言おうとして,『May I enter?』と尋ねました。それに対してその友人は『Come in, come in.』と返答したのです。つまりは、日本人の英語は非常にアンバランスな状況にあるということです。(一部加筆修正)」

この一見、何でもないやり取りが、私の英語人生の中で1.2を争う衝撃的な経験となりました。

その経験から私は、英語はテンポを重要視する言語であるということを体験的に学び、そのあと私の「May I enter?」のような日本人が使いがちな「ごつごつ英語」から「しなやか英語」にできる限り移行するべきで、極論すればそのプロセスこそが「英会話学習」そのものではないのかと考えるようになったからです。

その意味で、本書は、この一節だけをとっても十分に読んだ甲斐があったと言える一冊だったと言えます。

(もちろんそれだけでなく、著者の30年にわたる同時通訳者としての経験から重要性の高いと確信された110個の英熟語を厳選され、「暗記」ではなく「連想」の力で記憶を辿れることを実証しながら解説されているという意味で本当に内容の濃い解説書としてもお勧めできます。)

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