
世界基準のビジネス英会話 #317
2024年7月16日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 世界基準のビジネス英会話
【著者】 竹村 和浩
【出版社】 三修社
【価格】 ¥2,600+税
【購入】 こちら
もしあなたが、このブログを読んでくださっているのであれば、間違いなく本書のタイトルを見て、「えっ?」と思われたと思います。
なぜなら、私は一貫して「ビジネス英会話なんて存在しない」と言い続けてきましたから。
実際、ランゲッジ・ヴィレッジのウェブサイトでは次のように「ビジネス英会話」という言葉の無意味さを訴えています。
「『ビジネス英語』とは、『ビジネス』+『英語』で、ビジネスの場面で用いられる英語を指します。つまり、ビジネス英会話とは、ビジネスという特定分野における用語群、もしくはそれらを多用に含んだ英語による会話です。もし『ビジネス英会話』というビジネス特定分野での専門用語があるならば、クッキング英会話、スポーツ英会話、医療英会話、芸術英会話……といったように様々な分野ごとに特殊な英会話が存在することになります。そう考えると、『ビジネス英会話』だけが特殊だという認識自体がそもそもおかしいのです。」
すなわち、その意図は「ビジネス日本語」という言葉を聞いたときに私たちは何を思うのかを考えればすぐに分かるはずです。
少なくとも、まだまだ日本語を学ばなければならないという立場の人にはこの「ビジネス日本語」を気に掛ける暇や必然性は全くないはずで、その段階でこれと関係を持とうとすれば、そこには混乱しかもたらさないことは明らかです。
もし、この「ビジネス日本語」という奇妙な日本語がなにかしらの意味を成すシチュエーションがあるとすれば、それは、日本語ができる人が日本語でビジネスをする際にもっと便利になるように、ビジネスに特化した学習をしましょうねと言うような場合のみでしょう。
すなわち、「言語」を学ぶという意味ではなく、「ビジネススキル」を身に着けるという意味です。
しかし、それが「ビジネス英会話」となると途端に関係を持ちたくなってしまう日本人が本当に多いのです。
百歩譲って「ビジネス英会話」という概念が存在するというのであれば、英会話が自在にできるようになったけれども、かなり高度なグローバルビジネス環境に身を置くことになったので、英語でビジネスをする際に便利になるように、ビジネスに特化した学習をするという文脈でのみ存在するとの理解です。
そのレベルに到達したいのであれば、日本の英語教育産業にそれを求めるのではなく、アメリカのビジネススクールにMBAを取りに行ってくださいという話です。
ただ、それには圧倒的なお金も時間も能力も必要になるので、そのさわりだけでも体感してみたいという方にとっては非常にありがたい一冊になっています。
これを読めば、逆説的ですが私が一貫してお伝えしている「ビジネス英会話なんて存在しない」の真意をご理解いただけるものと思います。