
日本の英語教育のゆくえ#367
2026年6月12日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

【書籍名】 日本の英語教育のゆくえ
【著者】 土屋 進一
【出版社】 幻冬舎
【価格】 ¥1,600 +税
【購入】 こちら
#366「アブダクション英語学習法」の関連ブログ記事である「授業数を増やしたのに英語力が下がった理由」の中で、
「2011年から2023年までの時間と莫大なお金をかけ、なおかつ現場を混乱させたうえで小学校英語の導入と中学校への連携を進めたにもかかわらず、『全国学力テスト』の英語の調査結果がマイナスになったという『責任者出てこい!』レベルの日本の英語教育の現状」
を確認しました。
そこで、この小学校英語導入以前から導入後の日本の英語教育改革の一連の流れを振り返るとともに、本来はこの流れがどこをめざしていたのか(いるのか)を知ることができる資料がないかと探したところ本書を見つけました。
本書の構成は、まさに私の世代である「読んで訳して」の文法訳読の1990年代、「アウトプット活動重視」の2000年代、「4技能統合型」の2010年代前半、そして「アクティブラーニング到来」の2010年代後半以降に分けて、それぞれの時代ごとに「こうあるべき」とされた学校英語教育の内容をとても分かりやすく解説するというものです。
そして、それぞれのフェーズにおいてその「こうあるべき」とされた内容をいち早く正確に取り入れられたエキスパート教師(それは著者ご自身も含め)の事例をもとに明らかにされています。
一つ一つの事例は、それぞれのエキスパートの方々の情熱と研究心の賜物としてとても良く機能しただろうなと想像できました。
というのも、それらの授業はランゲッジ・ヴィレッジでも取り入れているものも多く、実に効果の高いものであることを実感をもって理解できるからです。
しかしそれは、そのようなエキスパート教師や私たちランゲッジ・ヴィレッジが教える英語学習者が、それらのレッスンを受け入れられる基礎があり、かつ主体性を持ったやる気のある方ばかりというだけでなく、彼らを「マス」でない形で指導することができるからです。
しかし、日本の学校教育全体でそれを実現することは不可能です。もしそれが可能だったなら、冒頭のような結果にはならなかったはずですから。
実際に、本書にもその理想と現実のギャップに関する言及が所々で見られました。
本書を読むことで、そのようなギャップをどのように解消していけるのか、「日本の英語教育のゆくえ」を注視していく必要性を大いに感じました。









