最初のペンギン #114
2015年5月31日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 最初のペンギン
【著者】 杉原洋紀 堀口美奈
【出版社】 講談社
【価格】 ¥1200 + 税
【購入】 こちら
外国語習得に関して非常に理にかなった方法を分かりやすく紹介してくれる良書だと思います。
やはり、言語教育は言語の本質について体で理解した人が設計するべきだということを心の底から納得させられる内容になっています。
「言語の難しさ」というものを学習者の母国語と対象言語との言語的隔たりとその国における学習環境の整い具合の総合点で判断し、自らの希望とあわせて学習対象言語を決定するという考えなどはさすがだと思いました。
このことによって、学習の効率性と効果性を最大化させることを意識して教育設計をすることの重要性がよく分かります。
ランゲッジ・ヴィレッジにおいては、英語に関しては、6年間の学校教育によって効率は悪かったとしてもすでに蓄積された知識を最大限に活用して、徹底的に使用する環境を提供することで、また、中国語に関しては、まったく知識ゼロの段階からスタートしても、漢字を習得済みであるという日本人のメリットを最大限に活用させながら、弱みである発音の徹底的に取り組むことによって、それぞれ2週間の合宿で「使える」英語、中国語を提供しているわけで、本書を読んで本当に胸のすく思いがしました。
本書を読むことで、日本の英語教育の長所と短所を区別し、短所を克服するにはどうしたらよいのかがはっきり分かりますので、ご自分が迷えるペンギンであると自覚している方は是非読まれることをお勧めします。
ただ、一点、子どもに対するバイリンガル教育についてのみ著者と私は考えを明らかに異にしていますので、この点に関して改めて考えてみたいと思っています。
文責:代表 秋山昌広