笑う英会話(1・2)#267
2022年3月9日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 笑う英会話(1・2)
【著者】 草下シンヤ × 北園大園
【出版社】 彩図社
【価格】 ¥476 + 税
【購入】 こちら
日刊SPAの「東大生が感動した『笑えるのに確実に学力が向上する名著』ベスト3」に選ばれており、このブログで紹介するのを一瞬躊躇しましたが、興味に任せて読んでみるとさすが東大生を感動させるだけあるセンスの光る二冊でした。
著者の二人はどちらも英語教育にはほとんど無縁であり、草下シンヤ氏は「裏のハローワーク」や「闇家業人」、 北園大園氏は「毒のいきもの」や「へんな古代生物」などの著作のあるこれまた「変わり種」の方々です。
そんな「変わり種」のお二人が「(教科書や参考書のような)マジメすぎる本の中に突如として出現した『変わり者』ばかりを集めて作った」例文集が本書です。
いくつか事例をあげてみましょう。
◆ 彼女はもしゃもしゃと胸毛のある男に目がない(日英擬音・擬態語活用事典:北星堂書店)
⇒She has a weakness for men with lots of hair on their chests.
◆ デーブはこれでお陀仏のようだ(通な英語2 文字・数・動植物編:くろしお出版)
⇒It looks like Dave’s number is up.
◆ 彼はもう禿げ始めている(イメージ活用英和辞典:小学館)
⇒He is going bald already.
◆ よく見るとジャックの顔は凸凹が激しいことに気づいた(英語の感覚感情表現辞典:東京堂出版)
⇒With a closer look, I noticed that the surface of Jack’s face was full of bumps.
これらの例文を本当に「笑える」ものにしているのは、それらが実際に「英和辞書」のような本来お堅いはずの本にそれがごくごくたま~にであっても現れるという意外性に理由があるように思えます。
このような「笑える」×「英語」という観点を持ち出されて思い出すのが、「永遠のジャック&ベティ」というパロディ本によって茶化された日本の英語教科書の代名詞ともいえる「Jack&Betty」です。
しかし、同じ「笑える」×「英語」の観点とは言っても、その性質は180度違っていると私は思います。
どう違うのか。
それは「Jack&Betty」が文脈無視の異様さを前提にした「笑える」ものであるのに対して、本書はあくまでも確実な文脈が存在した中でのシチュエーションによる「笑える」ものであるという違いです。
すなわち「しなやか英語」による表現が純粋に「笑える」のです。
その意味で本書は圧倒的に英語教育に貢献度が高いと言えると思います。